磯谷久次

磯谷久次の生涯

磯谷久次（いそがい ひさつぐ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将で、室町幕府末期の幕臣でした。久次の姓は「磯貝」とも表記され、出身は近江国志賀郡の土豪でありました。彼の生涯は、時代の変遷とともに大きな役割を果たしていたとして評価されています。

来歴と公家とのつながり

久次は、立入宗継の舅であることから、朝廷や公家との深いつながりを持っていました。1564年と1567年の年には、織田信長に上洛を促すため、正親町天皇の勅使として宗継に随伴しました。これらの活動は、彼の権威を高めるだけでなく、戦国時代における政治的な動きにも影響を与えました。

また、久次は幕臣である明智光秀の寄騎としても知られており、1572年11月15日には息子の千世寿（彦四郎）が元服する際、山岡景佐と吉田兼見が烏帽子親を務め、光秀が名付け親となったことからも、彼の重要な立場が伺えます。

足利義昭との関係と戦闘

1573年2月6日、足利義昭が挙兵した際、久次は渡辺昌や山本対馬守と共に義昭に従い、今堅田城に兵を入れました。しかし、同年2月29日には光秀の攻撃を受け、降伏することとなります。この石山城・今堅田城の戦いは、久次にとって苦い経験となりました。

同年の7月23日、義昭が再び挙兵した際、久次は昌と共に一乗寺城に立て籠もりましたが、稲葉一鉄の攻撃を受け、退去を余儀なくされました。追い込まれた久次は紀伊の山中に逃亡し、自らの命を守る道を選びました。

最期の時

1578年2月9日、久次は吉野に潜伏しているところを土民によって討たれてしまいます。その首は、安土に送られ、彼の生涯はここで幕を閉じることとなりました。久次の歴史的な役割は、彼の出自や信長、義昭との関係性、さらには戦の中での彼の選択においても重要な意味を持っています。

彼の生涯は、戦国時代の武将としての葛藤と、巧妙な政治的駆け引きそのものであり、その出身と公家とのつながりから生まれる多面的な視点が、多くの歴史愛好者にとって興味深いものとなっています。

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