磯野正典

磯野正典 いそのまさふみ

東京都出身の社会学者、教育者。1956年3月17日生まれ。金城学院大学教授として教鞭を執る傍ら、情報学、社会学、地域研究を専門分野とする。

略歴

東京都練馬区に生まれ、現在の西東京市にあたる保谷市で育った。日本大学を卒業後、1978年4月に東海テレビ放送に入社。アナウンサーとしてキャリアをスタートさせ、その後は報道、編成、経営企画といった多岐にわたる部門で要職を歴任した。民間企業での経験を経て、2011年より大学教授として教育・研究活動に従事している。学生時代には外交評論家の小山房二氏に師事し、ジャーナリズムの基礎を学んだ。剣道三段の腕前を持つ。

東海テレビでの活躍

アナウンサー・キャスターとして

入社後、主にスポーツ中継や報道、自社制作のローカル番組を担当した。スポーツ実況では全国ネットのプロ野球中継や『プロ野球ニュース』に関わった。特に新体操の実況は、山﨑浩子氏らの活躍と共に国内での新体操人気を高める上で重要な役割を果たし、ブームを牽引した。同局の吉村功氏に続くスポーツアナウンサーとしての期待も高かったが、1986年からは早朝ニュース『FNN東海テレビモーニングコール』のキャスターを務めるなど、活動の幅を広げた。

1990年代には、いわゆる団塊ジュニア世代をターゲットとした夕方の情報番組『パコ2CH あ・きすとぜねこ』でキャスターを務め、番組内ドラマ出演や関連商品のリリースにも関与した。番組プロデューサーとしても手腕を発揮し、後に全国区で活躍する和泉修、うじきつよし、久宝留理子、清水圭、関ゆみ子、ハイヒールリンゴ、吉田建といったタレントやミュージシャンをゲストに招き、彼らの後の活躍を後押ししたと言われている。

その後は『FNN東海テレビスーパータイム（土曜）』や『中日新聞テレビ日曜夕刊 FNN』などの報道番組を担当し、東海テレビの報道番組を西澤信正氏と並び牽引するキャスターの一人となった。モンゴル大統領への単独インタビューや金大中氏の訪朝に関する特ダネなど、スクープ報道も行った。

重大事故報道

1994年に発生した中華航空機墜落事故に際しては、事故現場から目撃者の証言などを交えた詳細なリポートを行った。事故翌朝の『めざましテレビ』では、墜落機体のごく近距離から生中継を敢行し、痛ましい現場の様子を全国に伝えた。この際に用いられた無線映像伝送技術は、後にテレビ放送技術大会でその詳細が紹介された。また、競合他局に察知されないよう、深夜のうちに機材搬入を行ったと言われている。

報道番組メインキャスター・幹部として

1995年からは報道番組『週刊ニュース工房』でメインキャスターを務め、評論家の小中陽太郎氏と共に番組を進行した。1999年に秘書部長に異動してからは、経営の中枢で様々な役割を担った。翌年には、地域経済の活性化を目的とした民間ベンチャー支援機関「東海ビジネスドットコム」の設立において中心的な役割を担った。その後もマルチメディア関連部門や経営企画部門の責任者として、会社の戦略立案に携わった。

学術・社会貢献活動

東海テレビ在籍中からメディア研究に関心を持ち、障害を持つ人々の情報アクセシビリティ向上を目指す活動家としても知られている。1992年にはこれらの活動が評価され、国際キワニス社会公益賞を受賞した。視覚障害者向けの音声訳のための許諾マーク「アイマーク」の普及に努め、視覚障害者が映画を鑑賞するための劇場内音声ガイドシステムを、吉村功氏と共同で開発するなど、情報バリアフリーの推進に貢献した。また、ベンチャービジネス分野でも、メディアビジネスを中心に各種セミナーでコーディネーターを務めている。

学術面では、メディア学の視点から民間放送事業を深く研究し、地域における情報化社会とメディアの関係性、放送の公共性に関する論文を発表している。名古屋大学大学院で数理学の修士号と学術の博士号を取得した。2011年から金城学院大学教授として教育・研究活動を行っている。2016年には情報文化学会学会賞を受賞。2024年には名古屋大学大学院経済学研究科に招聘教員として、ムハマディア大学に客員教授として招かれるなど、学術的な活動範囲を広げている。2025年5月からはシンガポール・ジョグジャカルタ市への移住を予定している。

番組以外の活動として、中日劇場での舞台化作品に声優として出演したり、ビールCMで後輩アナウンサーと共演したりした経験もある。NHK名古屋放送局時代にスポーツ担当として交流があった大塚範一氏とは、現在も親交が続いている。

担当番組（一部）

• - プロ野球ニュース
• - てれび博物館
• - 中央競馬ダイジェスト
• - ヒロミツのスーパードラゴンズ
• - エキサイティング競馬
• - FNN東海テレビモーニングコール
• - FNN東海テレビスピーク
• - パコ2CH あ・きすとぜねこ
• - FNN東海テレビスーパータイム
• - 中日新聞テレビ日曜夕刊 FNN
• - 名古屋ニューアングル
• - さわやかフライデー
• - 三枝の情報生テレビ うわさのミミンバ!
• - 週刊ニュース工房
• - 音楽村
• - 独占ドラゴンズ情報

主な実況歴（一部）

• - きさらぎ賞（1983年）
• - 中日新聞杯（1981年）

著書

• - 朗読ボランティアガイドブック I / II / III （社会福祉法人 東海テレビ福祉文化事業団）
• - あきすとぜねこの本 ― パコパコチャンネル（名古屋流行発信）
• - 100%放送中（リバティ書房）
• - 草原の少女オユンナ ― 時を超えた歌ごえ（リバティ書房）
• - 子供は地球のヒーローだ ― ジョンさんちの子育て・磯野家の子育て（リバティ書房） - ジョン・ギャスライト共著
• - 地方分権とローカルテレビ局 ― データ放送による地域情報配信（文眞堂）

楽曲プロデュース

• - 恋の占い（チームあきすとぜねこ） - 作詞も担当

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