礼文駅

北海道虻田郡豊浦町、その中でも字礼文華（れぶんげ）に位置する礼文駅（れぶんえき）は、北海道旅客鉄道（JR北海道）が運営する室蘭本線の鉄道駅です。駅を示す記号として電報略号はレン、事務管理コードは▲140304が付与され、駅番号はH44が割り当てられています。この駅から長万部方面の区間は、JR北海道の函館支社が管轄しています。

歴史

礼文駅は、昭和3年（1928年）9月10日に鉄道省長輪線の静狩駅と伊達紋別駅を結ぶ区間が開通した際に、一般駅としてその歴史をスタートさせました。開業当初は貨物や荷物の取り扱いも行っていました。

その後、昭和6年（1931年）4月1日には長輪線が室蘭本線に編入されたことに伴い、室蘭本線の駅となります。

時代が進むにつれて、駅の機能は縮小されていきます。昭和55年（1980年）5月1日にはまず貨物取り扱いが廃止され、続いて昭和59年（1984年）2月1日には荷物の取り扱いも終了しました。

そして、国鉄民営化を控えた昭和61年（1986年）11月1日には駅の無人化が実施され、簡易委託駅となります。

昭和62年（1987年）4月1日の国鉄分割民営化により、礼文駅はJR北海道に継承されました。

平成元年（1989年）12月には駅舎の改築が行われ、現在の姿に近い建物となります。

簡易委託がいつ廃止され、完全に無人化されたかの正確な時期は明らかではありませんが、遅くとも平成5年（1993年）の時点ではまだ簡易委託駅として機能していたことが記録されています。

駅名の由来

駅名である「礼文（れぶん）」は、所在地の地名である「礼文華（れぶんげ）」を簡略化したものです。

「礼文華」という地名は、アイヌ語に起源を持つとされています。最も有力視されている説は、アイヌ語研究家である上原熊次郎が提唱した「レプンケㇷ゚（repun-ke-p）」に由来するというものです。これは「沖の（方へ）・削る・もの」という意味を持ち、具体的には「断崖」を指すと解釈されています。この地名は、現在の隣駅である大岸駅地区のすぐ西側にある岬の名からつけられたと考えられています。

この有力説の他にも、永田方正による「レプンケㇷ゚（rep-un-kep）」（沖へ流れ出る所）とする説や、昭和48年（1973年）に当時の国鉄北海道総局が発行した『北海道 駅名の起源』で紹介されている「レプンケプ」（沖へ突き出ている所）とする説が存在します。しかし、平成12年（1999年）に北海道によって編纂された「アイヌ語地名リスト」では、これら二つの説は疑わしいとされています。

なお、平成28年（2016年）に留萌本線の礼受駅（れうけえき）が廃止されて以降、礼文駅はJRグループの駅としては唯一「れ」の文字から始まる駅となっています。

駅構造

礼文駅は、長万部駅が管理する無人駅です。駅の構造は地上駅で、種類の異なるホームが組み合わされた2面3線の線路配置を持っています。

旅客がホーム間を移動する際には、岩見沢駅方面に設けられた構内踏切を利用します。

かつて、平成5年（1993年）頃には、上り列車の停車する駅舎側のホームから長万部駅方向へ分岐する側線が1本、また下り列車の停車するホームの外側には、線路の保守などに使用されるバラスト（砂利）を積み出すための側線が2本存在していました。

駅舎は線路の西側、岩見沢方面に向かって右手に位置しています。開業当初の建物は改築されており、現在はサイディング張りの壁と出窓が特徴的な、一見すると住宅のような外観をしています。駅舎内には旅客向けのトイレも設置されています。

駅周辺と隣駅

駅周辺には、豊浦町アイヌ文化情報発信施設である「イコリ」や、これに隣接する礼文華海浜公園キャンプ場があります。また、駅前を通る北海道道608号大岸礼文停車場線や、北海道道609号礼文停車場線が周辺の交通を担っています。

地域の治安を守る伊達警察署礼文華駐在所や、郵便業務を扱う礼文郵便局、いぶり噴火湾漁業協同組合の礼文出張所なども近くにあります。

駅のすぐそばには内浦湾の穏やかな海が広がり、豊浦町立礼文華小学校、礼文華川、そして奇岩で知られる礼文華海岸といった自然や地域施設が点在しています。

公共交通としては、かつての国鉄バス羊蹄線を引き継いだ豊浦町営バスの「礼文駅前」停留所が利用可能です。

室蘭本線における礼文駅の隣駅は以下の通りです。静狩駅（駅番号H46）－ 小幌駅（駅番号H45）－（この間に廃止された鳥伏信号場がありました）－ 礼文駅（駅番号H44） － 大岸駅（駅番号H43）。なお、一部の列車は小幌駅を通過します。

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