玉井正夫

玉井 正夫

玉井正夫（たまいまさお）は、1908年10月3日に愛媛県松山市で生まれ、1997年5月26日に心不全で亡くなった、日本の著名な撮影監督です。1924年に大阪写真塾を卒業した後、帝国キネマ小坂撮影所に入社し、1930年代から本格的に映画業界で活動を始めました。特に、彼のキャリアの中で印象深いのは、成瀬巳喜男監督とのコラボレーションであり、彼らの作品は日本映画において高い評価を受けています。

来歴

玉井は1928年に市川右太衛門プロダクションに移籍し、映画『野獣』でデビューを果たしました。1931年には日本映画撮影監督協会の設立に関与し、1933年には日本カメラマン協会の設立にも参加しています。1936年にはJ.O.スタヂオに転職し、その後、J.O.スタヂオがP.C.Lと合併して誕生した東宝に所属しました。彼は東宝の代表的な撮影監督の一人として数々の名作に関わり、その熟練した技術で高く評価されました。

特に成瀬巳喜男監督とのコンビは有名で、彼らが共に手掛けた作品の多くは日本映画の金字塔とされています。玉井の技術は、映画『ゴジラ』の監督を務めた本多猪四郎によっても評価されており、「正攻法で撮るベテラン」と称されています。さらに、彼らは隣人としての交流もあり、家族ぐるみでの関係があったことが知られています。

1961年には第一光映社に転職し、その後も映像制作に携わり続けました。玉井は88歳でその生涯を閉じました。

主な作品

玉井正夫が携わった作品は数多く、特に以下のものが有名です。

• - 大大阪観光（1937年）
• - 沼津兵学校（1939年）
• - 武蔵野夫人（1951年）
• - めし（1951年）
• - 山の音（1954年）
• - 芸者小夏（1954年）
• - 晩菊（1954年）
• - ゴジラ（1954年）
• - 夏目漱石の三四郎（1955年）
• - 浮雲（1955年）
• - 流れる（1956年）
• - 妻の心（1956年）
• - 鰯雲（1958年）
• - 社長太平記（1959年）
• - 墨東綺譚（1960年）
• - 女が階段を上る時（1960年）
• - クレージー作戦 先手必勝（1963年）
• - 天国と地獄（1963年・撮影応援）

これらの作品は、日本映画の歴史において重要な位置を占めており、玉井の才能と情熱が色濃く反映されています。

受賞歴

1951年には、映画『めし』で毎日映画コンクールの撮影賞を受賞するなど、彼の業績は多くの賞で評価されています。これにより、多くの映画ファンや業界関係者からの敬意を集めました。

参考文献

玉井正夫の人生と業績は、後世にわたって映画史において語り継がれることでしょう。彼の作品や活動に関する情報は、以下の文献に掲載されています：

• - 『映像メディア作家人名事典』日外アソシエーツ、1991年
• - 井上英之『検証・ゴジラ誕生―昭和29年・東宝撮影所』朝日ソノラマ、1994年
• - 山口猛『映画撮影とは何か キャメラマン40人の証言』平凡社、1997年

玉井正夫の影響力は、現在の映画業界にも引き続き続いています。

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