祇園之洲町

祇園之洲町（ぎおんのすちょう）

鹿児島市の中部に位置する祇園之洲町は、その歴史と美しい景観が魅力の地域です。1977年に埋め立てによって造成されたこの地は、観光用地としての役割を担うと共に、歴史的な出来事の舞台としても知られています。

地理

祇園之洲町は、稲荷川の河口付近に位置し、北に吉野町、南に浜町、西に清水町と隣接しています。東側は鹿児島湾に面しており、美しい海岸線が広がります。町域の南部には、フランシスコ・ザビエルの上陸を記念した祇園之洲公園があり、訪れる人々に歴史の息吹を感じさせます。

歴史

前史

この地はもともと、稲荷川河口に広がる遠浅の海岸でした。戦国時代には、キリスト教宣教師フランシスコ・ザビエルが日本に初めて上陸した場所として、この地域が有力視されています。江戸時代に入ると、街道が整備され、八坂神社が現在地に移転しました。その後、稲荷川の改修工事によって生じた土砂で、八坂神社の東側海岸が埋め立てられ、「祇園之洲」と呼ばれるようになりました。

祇園之洲の埋め立て

1972年から1987年にかけて、鹿児島開発事業団により、上町地区の振興を目的とした埋め立て事業が行われました。この事業では、せばる団地の開発で発生した土砂が用いられ、与次郎の埋め立て時にも使用された水搬工法によって運搬されました。埋め立て面積は84,100平方メートルに及び、総事業費は223,757万円でした。1977年には埋め立てが完了し、同年11月7日に祇園之洲町が設置されました。

その後

1978年には、ザビエルが上陸した地とされる祇園之洲公園に記念碑が建立され、1979年には鹿児島市福祉コミュニティセンターが開設されました。1994年には、祇園之洲町と小川町を結ぶ国道10号鹿児島北バイパスが開通し、交通アクセスが向上しました。

町名の由来

「祇園之洲」という名前は、江戸時代に八坂神社（祇園社）の東側の海岸が埋め立てられたことに由来します。

人口

2020年10月1日現在、祇園之洲町の人口は167人、世帯数は83世帯です。

施設

公共施設

鹿児島市福祉コミュニティセンター
祇園之洲公園
フランシスコ・ザビエル上陸記念碑
われは海の子の歌碑

教育

小・中学校の学区については、鹿児島市立の学校が指定されています。

交通

道路

国道10号（鹿児島北バイパス）

脚注

この地域の情報は、鹿児島市史などの公的な資料に基づいています。

参考文献

南日本新聞『鹿児島市史Ⅳ』
南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』
南日本新聞開発センター『鹿児島開発事業団史 二十八年のあゆみ』
「角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県」
芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』

関連項目

* 埋立地

祇園之洲町は、歴史と自然が調和した魅力的な地域です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してください。

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