神西元通

神西元通の生涯とその影響

神西元通（じんざい もとみち）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、尼子氏の家臣として知られています。彼は、出雲における尼子十旗の神西城の城主であり、その生涯は多くの戦いと波乱に満ちていました。

家系の背景

神西氏は武蔵七党の一つである小野氏がその祖であり、鎌倉時代に小野高通が鎌倉幕府から地頭職を授けられた際に出雲国神門郡に下向したことに始まります。神西氏は、神西庄・波賀佐村・久村・清松村を治め、後には美作国においても4,660石の加増を受けるなど、地位を高めていきました。

尼子氏への仕官

元通は若いころより尼子氏に仕官し、出雲における戦の中で足軽大将としての役割を果たしました。しかし、永禄6年（1563年）には毛利氏による出雲侵攻の際に降伏し、さらに永禄9年（1566年）には月山富田城の落城により尼子氏が滅亡。元通は自らの本領を離れ、伯耆国の末石城主に任命されました。

反乱と再興軍の結成

永禄12年（1569年）、旧尼子臣である目賀田幸宣らが反乱を決意すると、元通は山中幸盛に誘われ、尼子勝久を中心にした再興軍に参加することに決めます。この反乱の中で中原就久を討ち、同年元亀元年（1570年）の布部山の戦いでは、毛利軍と戦いを繰り広げましたが、結果的には撤退を余儀なくされ、共に京へと逃れることになりました。

上月城とその結末

天正5年（1577年）、尼子再興軍は織田氏の家臣である羽柴秀吉の指揮のもとで播磨国の上月城に入城しました。この戦いでは、毛利氏が大軍を率いて上月城を囲むことになりますが、食料や兵力の不足から苦境に立たされることとなります。最終的に、尼子一族は自害と引き換えに城兵の命を救う決断を下し、上月城は開城される運命を迎えました。

天正6年（1578年）、元通と尼子勝久を含む尼子一族は自害を選択し、共にその生涯を閉じました。元通の供養塔は今も上月城跡に残されており、彼の勇気と忠誠心をしのぶ証とされています。

子に受け継がれる名

元通の子とされる神西又三郎は、小早川隆景に仕官し、名前の偏諱を受けて神西景通と名乗りました。彼は小早川隆景の死後、毛利家に仕え、文禄・慶長の役にも従軍しました。神西氏の末裔として活躍し続け、元通の名は受け継がれていきました。

このように、神西元通は戦国時代の tumultuous な時代の中で多くの戦いに関与し、その活躍は後世に語り継がれています。彼の忠誠と勇気は日本の歴史の中でも特筆すべきものなのです。

もう一度検索