福勝寺

福勝寺（ふくしょうじ）

福勝寺は京都市上京区に位置する、真言宗善通寺派に属する寺院です。山号は竹林山で、寺の主な本尊は薬師如来です。また、通称として「峰薬師」や「ひょうたん寺」としても知られています。境内の本堂には、洛陽三十三所観音霊場の第29番札所である聖観音も祀られており、信仰の場として多くの人々に親しまれています。

歴史

福勝寺の歴史は弘法大師の創建に遡ります。元々は河内国古市郡中村（現在の大阪府羽曳野市）の地で建立されたものの、徐々に衰退してしまいました。その後、正嘉年間（1257年 - 1259年）に覚済僧正（山本僧正）によって、京都の油小路五条坊門に再建されました。この間に3度の移転を経て、現在の場所に落ち着きました。

寺院の年中行事として注目されるのが、弘法大師が唐で恵果和上から授けられた如意宝珠と歓喜天の秘法によって、大寒から7日間行われる祈祷によって作られた瓢箪の授与です。福勝寺はさまざまな天皇からの帰依を受けており、特に後陽成天皇と後西天皇から「勅願寺」として扱われています。後西天皇からは「観世音菩薩」という名号と、紫宸殿左近の桜の分木が下賜され、これによって「桜寺」とも呼ばれるようになりました。

この寺の本尊である薬師如来は、愛知県新城市の鳳来寺にある薬師如来と同木同作とされ、その制作は利修仙人によるものだと伝えられています。鎌倉時代には、大仏の再建に際し重源の所有となり、各地を遍歴したのち、福勝寺に奉安されたとも言われています。

境内の特徴

福勝寺の境内には、本堂があり、訪れる人々が祈りを捧げる場所となっています。また、十三重石塔や庫裏、山門なども整備されており、静謐な佇まいの中で人々が安らぎを感じられる空間が広がっています。

境内の前後には、京都の札所としても知られる洛陽三十三所観音霊場があり、28番札所の壬生寺塔頭中院、30番札所の椿寺地蔵院とともに、多くの巡礼者が訪れるスポットとなっています。さらに「京都十二薬師霊場」の一部でもあり、5番札所の地福寺、7番札所の雙林寺と連携しています。

外部には、「ひょうたん寺」としての名で知られる地方の会や、洛陽三十三所観音巡礼の情報なども展開されています。福勝寺は、歴史的な文化財としてだけでなく、地域の信仰の象徴としても重要な役割を果たしています。訪れる人々がその静かな美しさに触れ、心の平穏を得ることができます。

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