福岡昭和タクシー

福岡昭和タクシー株式会社

福岡昭和タクシー株式会社（ふくおかしょうわタクシー）は、福岡県福岡市中央区に本社を置く、昭和グループに属する交通事業者です。主にタクシー・ハイヤー事業と貸切バス事業を展開しています。

設立と沿革

同社は、1963年4月1日に、親会社である昭和自動車のタクシー部門が分離・独立する形で設立されました。

その後の事業展開として、1985年には自動車の運行管理請負業を開始し、事業領域を拡大しました。さらに1987年には、東京地区の大手タクシー会社である日本交通、国際自動車、大和自動車交通、帝都自動車交通の「東京四社営業委員会」と業務提携を結び、広範な連携体制を構築しています。1999年には、新たに貸切バス事業にも参入し、多角的なサービス提供を進めています。

事業内容

タクシー・ハイヤー事業

福岡市内を中心にタクシーおよびハイヤーサービスを提供しています。

同社のタクシー事業は、時代の変化に合わせて営業戦略を変えてきました。1980年代の後半には、本社に併設されていた福岡営業所を閉鎖するなど、福岡市の中心部におけるタクシー営業を縮小した時期がありました。この頃は、中型車やジャンボタクシー車両を用いたハイヤー形態でのサービス提供を主体とし、小型タクシーの営業は、福岡市西区今宿地区や旧前原市（現在の糸島市）方面にある今宿・前原の両営業所を中心に行っていました。

しかし、2000年代に入りタクシー事業の規制緩和が進む中で、同社は再び福岡市中心部でのタクシー営業を強化する方向へと転換しました。2006年頃からは、トヨタ・プリウスなどの車両を積極的に導入し、車両数を増やしました。これにより、駅や街中での「流し」を含む、中心部でのタクシー需要に応えられる体制を再構築しました。導入当初、プリウスは中型運賃が適用されていましたが、利用者の利便性向上と利用促進を目指し、2009年7月24日からは小型運賃が適用されるようになりました。

また、サービスの質の向上にも取り組んでおり、2005年2月にはタクシー無線システムのデジタル化を実施しました。同時にGPSを用いた車両位置表示システムも導入し、より効率的かつ安全な運行管理を実現しています。

事業エリアの整理も行われており、福岡市今宿地区でのタクシー事業からは撤退しています。さらに、糸島市を管轄していた福岡西部事業部は、2015年4月1日付けで親会社の昭和自動車に移管されました。

バス事業

貸切バス事業として、中型バスおよび小型バスを保有し、多様なニーズに対応しています。

過去には、糸島市から委託を受けてコミュニティバスの運行も行っていました。これは「糸島市コミュニティバス」として運行される前の「前原市ミニバス」時代から、親会社の昭和自動車とともに運行に携わっていたものです。前原市ミニバスの開始当初は、トヨタ・ハイエースのジャンボタクシー車両のみを使用する乗合タクシーとしての形態でした。その後「糸島市コミュニティバス」となってからは、三菱ふそう・ローザ、日野・リエッセ、トヨタ・コースター、トヨタ・ハイエースコミューターといったマイクロバス車両も使用するようになりました。しかし、前述の通り福岡西部事業部が昭和自動車に移管されたため、現在は糸島市コミュニティバスの運行は昭和自動車が行っており、福岡昭和タクシーは同事業から撤退しています。

営業所等

主な事業拠点として、福岡市中央区に福岡事業本部を置いています。車両の整備や管理を行う長尾整備工場および長尾車庫は、福岡市城南区に位置しています。

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