福岡町 (高松市)

福岡町（高松市）

香川県高松市の中心部北東に位置する福岡町は、郵便番号760-0066を有する町丁です。全域で住居表示が実施されており、一丁目から四丁目までが設定されています。

地理

福岡町は、高松市役所からおよそ1.9kmの距離にあり、高松市の都心部から見て北東方向に広がっています。町域の境界は明確で、北は瀬戸大橋通り、東は詰田川、南は御坊川、国道11号、市道片原町沖松島線、西は県道157号高松東港線および杣場川がその境となっています。

町内は八丁土手を境に南北で異なる土地利用が見られます。八丁土手より北側の地域は、かつて「新浜塩田」「古浜塩田」と呼ばれた塩田を埋め立ててできた土地です。このエリアには、高松競輪場、香川県立体育館、ホテル、イオン高松東店といった大規模な施設が集積しているほか、小規模な町工場も多数点在しています。

一方、八丁土手より南側の地域では、市道福岡林線より東側にごく一部塩田埋立地があり、高松市下水道施設管理センターや高松市総合体育館、高松市斎場公園などの公共的な大規模施設が立地しています。しかし、このエリアの大部分、特に市道福岡林線より西側は、主に戸建て住宅やアパートからなる閑静な住宅街が広がっています。

町域内には、詰田川、御坊川、杣場川といった河川が流れています。

人口・世帯

2010年に実施された国勢調査のデータによると、福岡町の人口は3,643人です。内訳は男性が1,806人、女性が1,837人となっています。世帯数は1,832世帯で、町域の総面積は86万0,716.20平方メートルです。これに基づいて計算される人口密度は、1平方キロメートルあたり4,232.5人となります。

教育

福岡町全域が、公立の義務教育学校である高松第一小学校・中学校（小中一貫校）の校区に指定されています。

都市計画

都市計画法に基づく用途地域は、町内の場所によって指定が異なります。都市計画道路朝日町仏生山線より西側の地域では、市道片原町沖松島線に面する西部が容積率300%、建ぺい率80%の近隣商業地域とされています。それ以外のこのエリアの大部分は、容積率200%、建ぺい率60%の工業地域が占めています。一方、都市計画道路朝日町仏生山線より東側の地域は、容積率200%、建ぺい率60%の準工業地域に指定されています。

地形と災害

福岡町は全体的に土地の標高が低いことが特徴です。特に八丁土手よりも南側の地域は標高1.0メートル以下の低地となっており、部分的に海抜ゼロメートル地帯も存在します。

この低い土地ゆえに、過去には水害のリスクに直面しました。中でも、2004年（平成16年）8月30日から31日にかけて九州・中国地方を通過した台風16号では、この一帯に甚大な高潮被害をもたらしました。多くの家屋で床上浸水が発生し、一部では長期間にわたって浸水が解消しない箇所も見られるなど、多大な物的損害が出ました。さらに、特に被害の大きかった四丁目では、避難が遅れた高齢者が犠牲となるなど、人的被害も発生しました。

歴史

福岡町の歴史は、1921年（大正10年）1月1日に香川郡東浜村が高松市に合併した際に始まります。このとき、東浜村の大字であった「福岡下」の区域をもって、新たな町として福岡町が設置されました。この時点での町域は現在よりも広く、現在の南隣に位置する松福町は、福岡町と松島町から一文字ずつ取った地名であり、その町域は両町の旧町域の一部を含んでいます。

もともと、福岡下は香川郡福岡下村として存在した独立した村でした。しかし、1890年（明治23年）2月15日に町村制の施行により、東浜村と合併してその大字の一つとなりました。さらに遡ると、江戸時代の福岡下村は福岡村の一部でしたが、1881年（明治14年）に分村して福岡下村と福岡上村が誕生しています。

戦後、特に高度経済成長期以降、町の再編が進みました。1964年（昭和39年）には町内の大部分で住居表示が実施されました。この際に一丁目から四丁目が設定され、松島町の一部が編入される一方で、当町の一部は新たに設けられた松福町一丁目・二丁目に編入されました。その後、1970年（昭和45年）には、住居表示が未実施だった福岡町の残りの区域が、朝日町一丁目から五丁目に編入され、現在の町域がほぼ確定しました。

もう一度検索