福州船政局

福州船政局

福州船政局、または馬尾船政局は、清朝時代における中国の造船所の一つで、李鴻章や左宗棠の指導のもとで設立されました。この造船所は福建省福州市の馬尾地域、閩江の少し上流に位置しています。洋務運動の一環として、近代化を目指す中国政府の先進的な試みの中で設立された施設です。

設立の背景

福州船政局の設立は1866年、同治5年に始まりました。当初は造船所だけでなく、船政学堂などの教育機関も計画されていました。初期の指導者であった左宗棠が陝甘総督に転任すると、沈葆楨が新たに船政大臣に任命され、船政局の運営を引き継ぎました。この時期、フランス海軍の士官であるプロスペール・ジケルとポール・デグベルが協力し、約40名の技術者をヨーロッパから招致しました。

設備と活動

フランスからの技術者の助けを受け、福州船政局では溶鉱炉や西洋式の海軍造船施設が設立されました。これにより、同局では11隻の輸送艦と5隻の砲艦が建造され、船政学堂では兵士や技術者を対象とした5年間の教育が行われました。清国政府は原材料と労働力を提供し、運営費の一部はアヘンの輸入税で賄われていました。

最初に建造された艦船は「万年清」で、これは150馬力の働きを持つ艦でした。1869年の進水後、この造船所は順調に活動を続けました。

戦争と再建

しかし、1884年に発生した清仏戦争の馬江海戦で、福州船政局の多くの施設がフランス軍によって破壊されてしまいます。その後、再建が行われ、1926年には「海軍馬尾造船廠」と名前を改め新たなスタートを切りました。

影響と遺産

福州船政局は、中国における洋式造船技術の導入と近代化に大きく寄与しました。造船所としての役割に加え、教育機関としての機能も果たし、多くの技術者や兵士を育成しました。その成果は、清国の海軍力を強化する一助となり、船政局自体も近代中国における重要な艦船建造拠点の一つとなりました。

このように、福州船政局は単なる造船所以上の意味を持ち、清朝における近代化の象徴的な存在として、今日に至るまで多くの人々にその歴史的意義を伝えています。

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