福音主義合同教会

福音主義合同教会（UEK）とは

福音主義合同教会（Union Evangelischer Kirchen, UEK）は、ドイツにある13の福音主義州教会が参加する連合体です。これは、かつてドイツ福音主義教会（EKD）を構成していた福音合同教会（EKU）の後継組織にあたります。UEKは、ルター派と改革派の教会が合同した合同教会としての性格を持っています。

加盟教会

UEKには、以下の州教会が加盟しています。

アンハルト福音主義州教会
バーデン福音主義州教会
ベルリン＝ブランデンブルク＝シュレージシェ・オーバーラウジッツ福音主義教会
ブレーメン福音主義教会
ヘッセン＝ナッサウ福音主義教会
クーアヘッセン＝ヴァルデック福音主義教会
リッペ州教会
中部ドイツ福音主義教会
プファルツ福音主義教会
ポンメルン福音主義教会
福音主義改革派教会
ラインラント福音主義教会
ヴェストファーレン福音主義教会

これらの教会は、EKDにも加盟しており、合同派や改革派の教会が中心ですが、一部の州教会はドイツ合同福音ルター派教会にも加盟しているか、将来的な加盟を予定しており、ルター派の影響力も無視できません。

客員教会として、オルデンブルク福音ルター派教会、ヴュルテンベルク福音主義州教会（ルター派）、北ドイツ福音ルター派教会、改革派教会連盟も参加しています。

歴史

UEKは2003年6月1日に設立されました。前身である福音合同教会（EKU）とアーノルズハイン会議の活動を引き継いでいます。EKUは、かつてのプロイセン王国の領邦教会（古プロイセン合同福音主義教会）を母体としており、アーノルズハイン会議には多くの合同派と改革派の州教会が参加していました。

UEK教憲第1条1項には、UEKが公法上の社団であると明記されており、EKUが有していた法的地位を継承しています。事務局は当初ベルリンに置かれていましたが、現在はハノーファーにあるEKD事務局に統合されています。

最高機関

UEKの最高機関は教会総会（Vollkonferenz）です。総会は、13の加盟州教会から選出された44名の代議員で構成され、連盟の議会としての役割を果たします。代議員は6年の任期で選出され、総会において各加盟教会から1名ずつ常議員会員が選ばれます。さらに、神学委員会、法務委員会、事務局のトップが常議員会に加わり、全体で17名となります。

常議員会は議長をトップとし、教会総会での議事運営を担います。2003年10月18日には、初代議長としてバーデン福音州教会監督のウルリッヒ・フィッシャー博士が選出されました。

課題

UEKは、基本規定第3条1項において、以下の課題に取り組むことが定められています。

1. 教会合同に関する問いかけや、共同の告白に関する神学的対話と作業の推進
2. 礼拝、礼拝学、牧師任職式、共同体の理解に関する問題、聖餐式、教会活動での課題の検討と提案
3. EKD内における連帯、共同の働き、ロイエンベルク教会共同体との協調、世界規模の教会一致運動の支援
4. 目的に適った規定の策定、教会法の作成と運用
5. 神学的、非神学的な教会の協力者の養成と研修の企画と実施
6. 教会一致に関する会議の開催、共同体における協力関係の仲介、教会一致の働きを調整
7. 定期的な訪問による共同体内の連帯促進

基本規定第6条4項には、礼拝要覧に関する基本決定が全加盟教会に適用されること、教育、雇用、礼拝規則に関する統一された規定が目標となることが明記されています。UEKは牧師職に関する規則を可決しており、加盟州教会において施行規則によって具体化されています。また、苦情や異議申し立ての手続きも共通規則に含まれています。合同教会としての教会の審判管轄権も定められています。

これらの規則においては、加盟州教会の伝統に配慮し、各州教会の実情に合わせてUEKに共通する課題が異なる形で表現されています。

関連項目

ドイツ福音主義教会（EKD）
改革派教会
合同教会

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