ヘッセン＝ナッサウ福音主義教会

ヘッセン＝ナッサウ福音主義教会 (Evangelische Kirche in Hessen und Nassau(EKHN))

ヘッセン＝ナッサウ福音主義教会は、ドイツ福音主義教会 (EKD) に加盟する20の州教会の一つであり、ライン地域教会会議にも加盟しています。公法上の社団であり、本部はダルムシュタットにあります。2015年時点で約163万人の教会員と1151の教会共同体を抱えています。この教会は、ドイツ福音主義教会(EKD)内における合同教会としての特徴を持っています。

沿革

2010年5月1日まで合議制監督職を有していましたが、教憲改正により一般的な教会指導部にまとめられました。首座教会は存在しませんが、ダルムシュタットのパウルス教会、フランクフルト・アム・マインのカタリーネン教会、ヴィースバーデンのマルクト教会、マインツのクリストス教会が重要な教会とされています。

管轄地域

ヘッセン＝ナッサウ福音主義教会の管轄地域は、主にヘッセン州南西部です。ラインラント・ファルツ州の一部、ノルトライン＝ヴェストファーレン州にも教会共同体が存在します。かつてのヘッセン民主国（ヘッセン大公国）、プロイセン王国のヘッセン＝ナッサウ州（ヴィースバーデン、フランクフルト・アム・マイン、ヘッセン＝ホンブルク方伯領）も含まれます。

信仰告白

初代教会の基本信条（使徒信条、ニカイア信条、アタナシオス信条）とアウクスブルク信仰告白を信仰の基盤としています。バルメン宣言も全体教会の信仰告白とみなしています。ルター派、改革派、合同派の教会共同体が一つになった合同教会であり、マルティン・ルターとフィリップ・メランヒトンの影響下でヘッセン大公国に宗教改革が起こり、ナッサウ公国では改革派教会の影響を受け、19世紀に合同教会が成立しました。

歴史

教会統合と州教会設立

1926年以降、「マールブルク協議会」でヘッセン＝カッセル、ヘッセン、フランクフルト・アム・マイン、ナッサウ、ヴァルデックの5つの州教会の統合が議論されました。1933年、国家社会主義者による権力獲得後、統合プランは実行に移されず、代わりにヘッセン南部の3つの州教会（ヘッセン＝ダルムシュタット、ナッサウ、フランクフルト・アム・マイン）が統合を決議し、「ナッサウ＝ヘッセン福音主義州教会」が設立されました。

1934年、帝国監督ルートヴィヒ・ミューラーはエルンスト・ルートヴィヒ・ディートリヒを最初の州教会監督に任命し、教会規則に「アーリア条項」を導入してユダヤ人事務職とユダヤ人牧師を解雇しました。これに対し、告白教会による抵抗運動が生じました。

ナチス・ドイツ崩壊後、1947年に教会総会で教会的、法的な統合が承認され、教会名称はヘッセン＝ナッサウ福音主義教会に変更されました。

ヘッセン福音主義領邦(州)教会

ヘッセン福音主義領邦教会の歴史は、ヘッセン方伯領とヘッセン＝ダルムシュタット方伯領の歴史と深く関わっています。フィリップ1世 (ヘッセン方伯) の統治下でマルティン・ルターの考え方を手本にして宗教改革を導入しました。1567年のフィリップ1世の死後、領邦は分割され、ヘッセンの福音主義教会は分かれて発展しました。1817年の宗教改革300周年に際して、ルター派と改革派教会の間で合同教会を設立する試みが行われ、ある程度の成功を収めました。1933年、ヘッセン福音主義州教会は他のヘッセン州の二つの州教会と統合されました。

ナッサウ福音主義領邦(州)教会

ナッサウ福音主義領邦教会の歴史はナッサウ公国の歴史と密接に結びついています。ナッサウ公国の領主は宗教改革を支持し、1529年以降、領邦教会を宗教改革の理念に沿うように作り変えました。1817年、宗教改革300周年を記念して、ルター派と改革派教会の合同教会を結成することが決議され、ドイツ連邦において最初の教会合同となりました。1866年、ナッサウ公国がプロイセン王国に併合された後も、ナッサウ領邦教会はプロイセン福音主義教会には統合されず、独立を維持しました。1933年、ナッサウ福音主義州教会はヘッセン福音主義州教会、フランクフルト・アム・マイン福音主義州教会と統合されました。

フランクフルト・アム・マイン福音主義領邦(州)教会

フランクフルト・アム・マイン福音主義領邦教会は、かつて存在した自由都市フランクフルトの領邦教会です。1533年、フランクフルト・アム・マインにおいて、ルター派 宗教改革が市参事会によって導入されました。1866年、フランクフルトは政治的独立を失い、プロイセン王国に帰属することになりました。1899年、フランクフルトは教憲を制定し、ルター派教会と改革派教会、フランス改革派教会は初めてプロイセン王国宗務局という共通の所管官庁によって統括されることになりました。1933年、フランクフルト州教会はナッサウ福音主義州教会とヘッセン福音主義州教会と統合されました。

組織

ヘッセン＝ナッサウ福音主義教会の運営は、教会総会、教会指導部、教会議長によって担われます。教会議長は州教会総会で8年の任期で選出されます。州教会総会は、地区総会で選出された153人の総会議員で構成され、霊的指導と全体教会の秩序に関しての権威を有しています。州教会の基礎は教会共同体であり、複数の教会共同体が集まって教会地区を形成し、さらに複数の地区が集まって教会管区を形成します。

教会管区

ヘッセン＝ナッサウ福音主義教会には、ノルト＝ナッサウ、オーバーヘッセン、ラインヘッセン＝ナッサウラント、シュタルケンブルク、ライン＝マインの5つの教会管区があります。

教会共同体

2021年現在、1151の教会共同体で25の教会地区を形成しています。

礼拝

ヘッセン＝ナッサウ福音教会において、ルター派と改革派の両方の礼拝式文が用いられています。

ヘッセン＝ナッサウ福音主義教会公式サイト

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