秀才 (科挙)

秀才（しゅうさい）は、中国の官吏登用試験である科挙における科目の一つです。その歴史は古く、漢代に遡ります。当初は地方の推薦によって選ばれる「郷挙里選」という制度の中で、秀でた人物を指す言葉として用いられました。後漢の時代には、光武帝の諱を避けて「茂才」と呼ばれていました。

隋代に科挙が導入されると、秀才は科挙の科目の一つとして組み込まれました。この時期の秀才は、科挙の中でも特に重視され、合格者数は非常に限られていました。そのため、秀才に合格することは、官吏への道を開く重要なステップとされていました。

唐代の初期には、秀才は科挙の筆頭科として位置づけられました。当時の科挙には、明経、進士、明法といった他の科目がありましたが、秀才はそれらの中でも最も重要視されていました。試験内容は方略策と呼ばれるもので、政治や社会に関する論述が求められました。その出来不出来によって合否が判定されました。貞観年間には、地方から推薦された学生が不合格になった場合、推薦した州県官に罰則が科せられるという規定が設けられました。この厳格な措置によって、推薦者と受験者の数が激減し、一時的に秀才科は衰退しました。開元年間には一時的に復活しましたが、合格者が現れず、最終的には廃止されることとなりました。

その後、科挙に応募した者や、明・清の時代には、府学、州学、県学に所属する学生（生員）を指す言葉として用いられるようになりました。このように、秀才は時代によってその意味合いを変えながら、中国の官吏制度の中で重要な役割を果たしました。

参考文献としては、顧炎武の『日知録』巻16や、趙翼の『陔余叢考』巻28などが挙げられます。また、秀才という言葉は、日本でも用いられており、優秀な人物を指す言葉として使われています。

秀才の歴史を振り返ると、中国における官吏登用制度の変遷と、それに対する人々の価値観の変化が見て取れます。科挙という制度の中で、秀才は常に重要な位置を占めており、その変化は中国の歴史と深く結びついています。


参考文献

顧炎武『日知録』巻16
趙翼『陔余叢考』巻28

関連項目

* 秀才 (日本))

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