秋岡義一

秋岡義一について

秋岡義一（あきおか ぎいち）は、1863年（文久3年）6月26日に生まれ、1925年（大正14年）3月31日に没した、明治から大正時代にかけての日本の重要な人物です。彼は地主、農業経営者、実業家、そして政治家として多岐にわたる分野で活躍しました。特に衆議院議員としての活動が知られており、その政治キャリアは8期に及びました。

生い立ちと家業

秋岡義一は、摂津国東成郡蒲生村（現在の大阪市）で、大地主であり豪農であった秋岡伊兵衛の長男として生を受けました。1884年（明治17年）に家督を相続し、農業経営に携わることとなります。彼の家は地域でも有数の地主であり、その経営手腕が期待されていました。

実業家としての側面

農業経営者としての活動に加えて、秋岡義一は実業家としてもその才能を発揮しました。彼は朝鮮綿業の監査役、京阪電気鉄道の監査役、京阪土地建物の監査役、大阪農工銀行の頭取、そして利別農場の業務執行社員など、数々の要職を歴任しました。これらの役職は、彼の経済界での影響力の大きさを物語っています。

政治家としてのキャリア

1894年（明治27年）3月の第3回衆議院議員総選挙で、秋岡義一は大阪府第4区から無所属で出馬し、初当選を果たしました。その後、彼は第11回総選挙まで連続して再選され、合計8期にわたって衆議院議員を務めました。政治活動においては、立憲政友会に所属し、臨時協議員、院内部長、幹事、協議員などを歴任しました。彼の政治姿勢は、地域の利益を代表し、国家の発展に貢献することにありました。

国政選挙における実績

秋岡義一の国政選挙における具体的な実績は以下の通りです。

第3回衆議院議員総選挙（1894年3月）：大阪府第4区より無所属で当選
第4回衆議院議員総選挙（1894年9月）：大阪府第4区より無所属で当選
第5回衆議院議員総選挙（1898年3月）：大阪府第4区より自由党から当選
第6回衆議院議員総選挙（1898年8月）：大阪府第4区より憲政党から当選
第7回衆議院議員総選挙（1902年8月）：大阪府郡部より立憲政友会から当選
第8回衆議院議員総選挙（1903年3月）：大阪府郡部より立憲政友会から当選
第10回衆議院議員総選挙（1908年5月）：大阪府郡部より立憲政友会から当選
第11回衆議院議員総選挙（1912年5月）：大阪府郡部より立憲政友会から当選

これらの選挙結果は、彼が地域社会からの信頼が厚く、幅広い支持を受けていたことを示しています。

家族と親族関係

秋岡義一の妻であるタニは、著名な作家、川端康成の母方の叔母にあたります。この親族関係は、文化的な側面からも彼の人物像に深みを与えています。

参考文献

秋岡義一の研究には、以下の文献が役立ちます。

山崎謙 編『衆議院議員列伝』(1901年)
田中重策篇『新撰衆議院議員列伝』(1903年)
成瀬麟、土屋周太郎編『大日本人物誌』(1913年)
『大阪現代人名辞書』(1913年)
人事興信所編『人事興信録 第4版』(1915年)
『衆議院議員総選挙一覧 上巻』(1915年)
衆議院事務局編『衆議院議員総選挙一覧 自第7回至第13回』(1918年)
青野権右衛門編『立憲政友会功労者追遠録』(1933年)
『総選挙衆議院議員略歴 第1回乃至第20回』(1940年)
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』(1990年)

関連文献

* 羽鳥徹哉『作家川端の基底』(1979年)

これらの資料を通じて、秋岡義一の生涯と業績について、より深く理解することができます。

まとめ

秋岡義一は、明治から大正にかけて、政治、経済、農業の各分野で重要な役割を果たした人物でした。彼の多様な活動は、当時の社会構造や経済状況を理解する上で重要な手がかりとなります。また、川端康成との縁戚関係は、彼の人物像に文化的な奥行きを与えています。

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