秋葉京子

秋葉京子（あきば きょうこ、1948年 - ）は、日本を代表するメゾソプラノ歌手、そして音楽教育者です。千葉県に生まれ、東京藝術大学で声楽を学びました。大学院在学中から二期会でのオペラ出演を始め、その才能を早くから開花させました。

海外での活躍と研鑽

大学院修了後、秋葉はケルンに留学し、ケルン国立音楽大学を首席で卒業しました。留学中にはゲルゼンキルヒェン歌劇場に客演するなど、ヨーロッパの舞台でも活躍。ザルツブルクのサマーアカデミーでの演奏会がきっかけで、ブラウンシュヴァイク国立劇場と専属契約を結びました。その後、オルデンブルク国立劇場、シュレースヴィヒ＝ホルシュタイン州立フレンスブルク劇場と、ドイツの主要な劇場で活躍を続けました。

日本での活動

日本国内においては、秋山和慶、高関健、小澤征爾、朝比奈隆、小林研一郎など、日本を代表する指揮者たちと共演。NHK交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団など、国内の主要オーケストラとも多数共演しました。その圧倒的な歌唱力と表現力は、聴衆を魅了しました。

教育者としての貢献

秋葉は、国立音楽大学音楽学部教授として、後進の指導にも力を注ぎました。多くの門下生を育て、日本の音楽界の発展に貢献しました。門下生には、髙田智宏、髙田智士、葛西健治、柴田紗貴子、清野友香莉、金子響などがいます。

多彩なレパートリー

秋葉のレパートリーは非常に幅広く、モーツァルト、ヴェルディ、ワーグナー、リヒャルト・シュトラウスなど、様々な作曲家のオペラ作品を歌いこなしました。特に、ビゼーのオペラ『カルメン』のタイトル・ロールは、1000回以上公演を達成するという記録を持っています。また、コンサートや歌曲の分野でも、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、マーラーなど、多くの作品を歌い上げました。

主なレパートリー

オペラ

モーツァルト『フィガロの結婚』ケルビーノ、マルチェリーナ
モーツァルト『コジ・ファン・トゥッテ』ドラベッラ
リヒャルト・シュトラウス『サロメ』ヘロディアス
リヒャルト・シュトラウス『ナクソス島のアリアドネ』作曲家
ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』ブランゲーネ
ワーグナー『タンホイザー』ヴェーヌス
ワーグナー『神々の黄昏』ヴァルトラウテ（演奏会形式）
ヴェルディ『リゴレット』マッダレーナ
ヴェルディ『ドン・カルロ』エボリ公女
ヴェルディ『仮面舞踏会』ウルリカ
ヴェルディ『ファルスタッフ』クイックリー夫人
ビゼー『カルメン』タイトル・ロール

コンサート・歌曲

バッハ『マタイ受難曲』
モーツァルト『レクイエム』
ベートーヴェン『第九』
ベートーヴェン『ミサ・ソレムニス』
ブラームス『アルト・ラプソディー』
ヴェルディ『レクイエム』
マーラー『嘆きの歌』
マーラー『子供の不思議な角笛』
マーラー『大地の歌』
マーラー交響曲第8番『千人の交響曲』
マーラー『亡き子をしのぶ歌』

受賞歴とディスコグラフィー

秋葉は、全日本学生音楽コンクール声楽部門で第1位を受賞しています。また、ベートーヴェン交響曲第9番などの録音も残しており、その歌声はCDで聴くことができます。

ディスコグラフィー

SACDハイブリッド ベートーヴェン交響曲第9番 指揮: 小林研一郎
SACDハイブリッド ベートーヴェン交響曲第9番 指揮: 朝比奈隆
CD3枚組 オペラ忠臣蔵

その他の情報

秋葉の兄は、元広島市長の秋葉忠利です。二期会会員であり、二期会オペラ研修所ではドイツ語指導を担当していました。秋葉京子は、その卓越した才能と情熱で、日本の音楽界に大きな足跡を残した人物と言えるでしょう。

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