種市町

種市町は、岩手県の最北端に位置し、太平洋に面していた町です。2006年1月1日に大野村と合併し、洋野町となりました。この合併により、種市町という名前は地図から姿を消しましたが、その歴史と文化は今もなお地域に深く根付いています。

歴史

種市町の歴史は、明治時代の町村制施行に遡ります。

1889年（明治22年）4月1日：町村制が施行され、種市村が単独で村制を施行し、北九戸郡種市村が成立しました。また、旧中野村、有家村、小子内村が合併し、北九戸郡中野村が成立しました。
1897年（明治30年）4月1日：南九戸郡と北九戸郡が合併し、九戸郡となりました。これにより、種市村と中野村は九戸郡に属することになりました。
1951年（昭和26年）4月1日：種市村が町制を施行し、種市町となりました。これは、地域の発展と人口増加を背景としたものでした。
1955年（昭和30年）2月11日：種市町と中野村が合併し、新たに種市町が成立しました。この合併により、行政の効率化と地域の一体化が進められました。
2006年（平成18年）1月1日：種市町は大野村と合併し、洋野町が成立しました。この合併は、地域経済の活性化と持続可能な発展を目指したものでした。

行政

種市町の最後の町長は玉澤修氏で、2003年4月30日に就任しました。町のマスコットキャラクターは、南部もぐりの潜水士をモチーフにした「ダイちゃん」でした。ダイちゃんは、合併後の洋野町でもシンボルキャラクターとして引き継がれ、町民に親しまれています。

経済

種市町の経済は、漁業が重要な役割を果たしていました。特に、ウニやホヤは特産品として知られ、地域経済を支える重要な資源でした。町内には、以下の漁港がありました。

角浜漁港
川尻漁港
種市漁港
鹿糠漁港
戸類家漁港
宿戸漁港
小子内漁港
有家漁港
高家漁港

これらの漁港は、地元の漁業者にとって重要な活動拠点であり、新鮮な海産物を地域に供給する役割を担っていました。

交通

種市町には、鉄道、バス、道路が整備されており、地域住民の移動手段を確保していました。

鉄道：東日本旅客鉄道（JR東日本）八戸線が町内を走り、以下の駅がありました。
角の浜駅
平内駅
種市駅
玉川駅
宿戸駅
陸中八木駅
有家駅
陸中中野駅
バス：JRバス東北の八木線と、種市町営バスが運行していました。
道路：一般国道45号、主要地方道である岩手県道20号軽米種市線、一般県道である岩手県道139号陸中中野停車場線、岩手県道150号種市停車場線、岩手県道164号明戸八木線、岩手県道216号八木港線、岩手県道247号角ノ浜玉川線、岩手県道269号明戸種市線が町内を通っていました。
港湾：八木港は、漁業活動や地域経済を支える重要な港湾でした。

名所・旧跡・観光

種市町には、美しい自然や歴史を感じられる観光スポットがありました。

種市海浜公園：海岸沿いに広がる公園で、海水浴やレクリエーションを楽しむことができました。
江戸ケ浜海水浴場：夏には多くの海水浴客で賑わう、美しい砂浜の海水浴場でした。

種市町は、その歴史の中で、多くの人々に愛されてきた町でした。合併によりその名前は消えましたが、その文化と歴史は、洋野町に引き継がれ、今もなお大切にされています。

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