稲田堤

稲田堤（いなだづつみ）

稲田堤は、神奈川県川崎市多摩区に位置する、JR南武線稲田堤駅と京王相模原線京王稲田堤駅周辺の地域を指す名称です。登戸や向ヶ丘遊園と並び、多摩区を代表する街として知られています。

稲田堤の由来

その地名は、かつてこの地域が旧橘樹郡稲田村大字菅（すげ）であったことに由来します。明治31年（1898年）には、日清戦争の戦勝を記念して、稲田村が多摩川の右岸堤防に桜を植樹し、その美しさから桜の名所として「稲田堤」と呼ばれるようになりました。この名称は、大正時代に南武線稲田堤駅が開業したことで、地域名として定着しました。

地域の範囲

稲田堤地域は、旧稲田村大字菅の区域を含み、現在の町名では以下の地域が含まれます。

菅一丁目から六丁目
菅稲田堤一丁目から三丁目
菅北浦一丁目から五丁目
菅野戸呂
菅仙谷一丁目から四丁目
菅馬場一丁目から四丁目
菅城下
寺尾台

ただし、「稲田堤」地域として地元で認識される範囲は、菅、菅稲田堤、菅北浦、菅野戸呂を中心とし、寺尾台や菅馬場などは、小田急小田原線読売ランド前駅が最寄りの生田地域として認識されることが多いです。

文化・名産

稲田堤は、文化的な背景も持っています。大正時代に流行した歌謡曲『丘を越えて』は、作曲家の古賀政男が稲田堤の桜を見物したことがきっかけで生まれたと言われています。また、この曲にちなんだ菓子も存在します。

農業も盛んで、多摩川梨として知られる長十郎種のナシや、のらぼう菜と呼ばれるセイヨウアブラナが特産品です。菅仙谷には、多摩丘陵の南山から続く自然豊かな里山が残されており、都市部でありながら自然を感じられる場所もあります。

地域情報

稲田堤には、以下の公共施設や商業施設があります。

川崎市多摩区役所菅連絡所
稲田公園
小沢城址
生田スタジオ
川崎市農業技術支援センター
川崎市多摩スポーツセンター
神奈川県立菅高等学校
川崎市立菅中学校
川崎市立南菅中学校
川崎市立菅小学校
川崎市立東菅小学校
川崎市立南菅小学校
川崎市立西菅小学校
多摩川稲田堤桜之碑
稲田堤郵便局
fuji稲田堤店
京王ストア稲田堤店
ゆりストア星ヶ丘店
コープかながわ菅店
横浜銀行稲田堤支店
川崎信用金庫稲田堤支店
おかしのまちおか稲田堤店

寺社

菅地区には、古い寺社が数多く存在します。代表的なものとして、寿福寺、薬師堂（菅の獅子舞は神奈川県指定無形民俗文化財）、子之神社、八雲神社、玉林寺、菅の六地蔵などがあります。

交通

稲田堤へのアクセスは、以下の鉄道が利用できます。

JR東日本 南武線：稲田堤駅
京王電鉄 相模原線：京王稲田堤駅

主要道路としては、神奈川県道・東京都道9号川崎府中線（府中街道）や川崎市主要地方道幸多摩線（多摩沿線道路）が通っています。

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