稲葉正益

稲葉 正益（いなば まさよし）

稲葉正益は、山城淀藩の第5代藩主として知られる政治家であり、名門稲葉家の9代目にあたります。その初名は正甫で、一般には大学と呼ばれています。彼は正成系稲葉家の継承者であり、その地位を持つことは藩の歴史において重要な役割を果たしました。

生涯

稲葉正益は、第4代藩主である父・稲葉正親の長男として生まれました。母は柴田某の娘で、稲葉正直の養女です。享保18年（1733年）8月28日、正益は将軍徳川吉宗に謁見を果たし、その後同年の12月18日には従五位下及び内匠頭に叙任されました。

その後、享保19年（1734年）11月5日、父が亡くなると藩主の座を継承しました。藩主としての彼の活動は早くも延享4年（1747年）には奏者番に任じられ、同年の12月23日には寺社奉行の兼任も担うようになります。しかし、寛延3年（1750年）12月18日には従四位下に昇進するものの、奏者番兼寺社奉行からは解任されています。

藩政の課題

宝暦6年（1756年）2月3日には、淀城が焼失するという困難な出来事に見舞われます。この火災に対処するため、幕府から1万両を借りることを余儀なくされ、藩の財政には深刻な影響が出たものと考えられます。

死去と後継

稲葉正益は、明和8年（1771年）9月28日に54歳で亡くなりました。その死後は、長男の正弘が藩主としてその役割を引き継ぎました。正益の法号は温良院であり、彼の墓所は京都市内の妙心寺に存在します。

家族構成

稲葉正益の妻は、正室に伊達吉村の娘を迎え、後に継室として丹羽高寛の娘も持ちました。彼には3人の息子があり、その中で長男の稲葉正弘は正室の子供であり、次男は稲葉正諶、三男は稲葉正尹、四男は仙石久功です。また、立花種周や稲葉正峯といった娘たちも正室を持っています。

稲葉正益の治世は、藩政の中で数々の変化と挑戦を乗り越えながら続きました。その多くの取り組みは、稲葉家の更なる繁栄につながったといえるでしょう。

もう一度検索