立花氏庭園

立花氏庭園について

立花氏庭園（たちばなしていえん）は、福岡県柳川市に位置する美しい庭園であり、かつて柳川藩主立花家の御屋敷が存在していた場所です。この庭園の歴史は1738年に遡ります。五代藩主・立花貞俶が、当時「御花畠」と呼ばれる地域に藩主家の別邸を築いたことがその始まりとされます。この地は、柳川城の南西に位置し、リラックスできる住環境として設計されました。

歴史を振り返ると、元禄10年（1697年）には、立花家の隠居藩主・立花鑑虎が“集景亭”という別邸を建築して遊息の場としました。その後、この場所は柳川藩の奥として利用されるようになりますが、その変遷には藩主の居住区の変更が絡んでいます。1737年には藩主家の生活が手狭になったため、より広い土地への移転が計画され、貞俶によって御花畠が選ばれました。これにより、御花畠は藩主家の事実上の私宅として明治時代まで機能し続けます。

明治時代に入ると、立花家は伯爵位を得て、その生活様式や住居も見直されることとなります。1910年には洋館と和館が新たに整備され、当時の立花伯爵家住宅が形成されました。これは近代和風建築の代表的な例として評価されています。1978年には庭園の西半分が国の名勝に指定され、その後、2011年には東庭園が新たに指定を受け、庭園全体が「立花氏庭園」として国の名勝となります。

立花氏庭園では明治期の近代和風庭園が体験でき、中心に池が配置されています。その池の周囲には280本の松が植えられており、華やかな景観を形成しています。この池の水は、柳川城の堀から循環させており、数多くの生き物が生息しているため、冬には野鴨が飛来することで知られています。

地元の人々には「御花」として親しまれており、戦後には立花家が運営する料亭旅館としても機能しています。現在もその美しい風景は観光客を惹きつけており、立花氏庭園は大名文化の香りを伝えている貴重な場所となっています。その魅力的な環境は、訪れる人々が歴史的な価値と自然の美しさを一度に体験できる貴重な機会を提供しています。

交通アクセスと概観

立花氏庭園へのアクセスは非常に便利です。西鉄天神大牟田線の西鉄柳川駅から、堀川バスの「亀の井ホテル柳川」行きに乗り、終点で下車後、徒歩約3分で到着します。タクシーを利用すれば駅からおおよそ10分ほどで庭園に到着します。また、車の場合は九州自動車道のみやま柳川インターチェンジから約11kmの距離に位置しています。

立花氏庭園は多くの歴史的な建物や美しい庭園を有しており、訪問者は多彩な景観を楽しむことができます。その中には西洋館や大広間、御居間、あらゆる時代の文化を反映した施設が含まれています。また、各種観光施設や飲食店もあり、日帰り観光としてもおすすめの場所です。

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