立花鑑広

立花鑑広：秘匿された藩主

立花鑑広（たちばな あきひろ）は、江戸時代後期、筑後国柳河[[藩]]の第10代藩主です。文政6年（1823年）に第9代藩主・立花鑑賢の長男として柳河で生まれました。母は側室の清光院（宝珠山玄琢の娘）であり、婚約者には山内豊資の養方叔母である兎見（山内豊策の娘）がいました。

若くして藩主となるも

文政13年（1830年）に父・鑑賢から後継者に指名され、江戸へ向かいます。しかし、直後に父が死去したため、わずか7歳で家督を継ぐこととなりました。

夭折と末期養子の問題

ところが、藩主となってからわずか3年後の天保4年（1833年）2月、鑑広は病に倒れ、11歳という若さで亡くなってしまいます。ここで大きな問題が発生しました。幼少の鑑広は将軍に謁見しておらず、幕府から末期養子の許可を得ることが難しい状況だったのです。末期養子が認められない場合、立花家は改易となる可能性がありました。

弟・鑑備との入れ替わり

藩は、立花家を守るために苦渋の決断をします。それは、鑑広の死を隠し、同母弟である立花鑑備を鑑広として扱うというものでした。つまり、公式上は鑑広は生存していることになり、弟の鑑備が「立花万寿丸鑑広」と名乗り、後に改名して藩主としての務めを果たすことになったのです。

秘匿された真実

この事実は、明治35年（1902年）まで秘匿されました。そのため、長らく立花鑑広と立花鑑備は同一人物として扱われ、鑑備が10代藩主、鑑寛が11代藩主とされていました。鑑広の墓も嘉永年間まで建立されず、観音堂がその代わりとされたのです。

現代に語り継がれる史実

今日では、立花鑑広と鑑備が別人であったという事実は明らかになっています。鑑広の短い生涯と、立花家を守るために行われた苦渋の決断は、歴史の裏に隠された真実として、私たちに語りかけてきます。

参考文献

「三百藩藩主人名事典4」（新人物往来社）
「旧柳川藩志」

関連項目

* 末期養子

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