童夢・84C

童夢・84Cの概要

童夢・84Cは、1984年に全日本耐久選手権（JSPC）や富士ロングディスタンスシリーズ（富士LD）に向けて開発されたグループCカーです。設計は大国正浩によるもので、前作の童夢・RC-83とは大きな変更がなされました。特に目を引くのは、サイドラジエターを廃止しフロントラジエターを採用した点で、このフルモデルチェンジは外観にも顕著に表れています。

当時のグループCカーはポルシェ・956の影響を受けたデザインが多かった中、84Cは独自のスタイルと流麗さで存在感を示しました。この車両は、トヨタ製の2.1リットル直列4気筒ターボエンジン（4T-GT型）を搭載した点も注目に値します。

本車両は、童夢とトムス、そして生沢徹率いるチームイクザワの3台が参戦しました。84Cの姉妹車であるトムス・84Cが1984年6月の富士500kmでデビューし、約2ヶ月後の8月には童夢・84Cが鈴鹿1000kmに参加しました。

初期のレースではなかなか完走できなかったものの、同年のWEC-JAPANで国産車として最上位の7位で完走を果たしました。1985年の鈴鹿500kmでは、84Cから進化したマイナーチェンジ版の85Cが国産C1カーとして初勝利を収める快挙を達成しました。

その後、第2戦の富士1000kmでは85Cが使用され、国内耐久レースには最大6台もの85Cが参戦し、2位入賞を3回記録するなど安定したパフォーマンスを見せました。また、同年にはトムスと共にル・マン24時間レースにもチャレンジし、トムス85Cが12位で完走する結果となりました。一方で、童夢はリタイヤに終わりましたが、このル・マンへの挑戦はトヨタにとって重要な一歩であったことは間違いありません。

1986年には新たに86Cにモデルチェンジされ、さらに74Cに続くトヨタの4気筒エンジンを搭載するCカーの進化は84Cから始まっていると言えるでしょう。84Cはその後のトヨタのレーシングカーの基盤となり、その影響は今なお残るものです。

関連項目

• - グループCカーの一覧
• - 童夢 - 全日本耐久選手権に85Cで参戦
• - オートビューレック・モータースポーツ - 全日本耐久選手権に85Cで参戦
• - チームイクザワ - 全日本耐久選手権に85Cで参戦

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