童学寺

童学寺（どうがくじ）の詳細

徳島県石井町にある童学寺は、真言宗善通寺派の別格本山としての地位を持つ寺院で、「東明山」または「大谷院」とも呼ばれています。本堂に祀られているのは薬師如来であり、四国別格二十霊場の第2番札所、また四国三十六不動尊霊場の第11番札所としても知られています。この寺は、弘法大師空海が学問を学んだ場所として名声を得ており、学業成就の祈願に訪れる人々が多く集まります。

本尊と祈願

童学寺における本尊の真言は「おん ころころ せんだりまとうぎ そわか」であり、信者たちはこの真言を唱えながら祈りを捧げます。また、御詠歌もあり、「まいるなら 三世の悪業 消へはてる 南無や薬師の 瑠璃の光に」と詠まれています。

歴史的背景

伝説によると、童学寺は飛鳥時代に行基によって創建されました。奈良時代の終わりから平安時代にかけて、弘法大師は7歳から15歳までこの寺で書道や密教を学び、「いろは四十八文字」の創作に関わったとされています。このような背景から、「童学寺」という名が付けられたと考えられています。

弘仁6年（815年）、空海が42歳の際に再度訪れ、伽藍を整備したとされ、薬師如来や阿弥陀如来、観音菩薩などの彫刻も彼の手によって安置されました。寺の近隣には古代の「石井廃寺跡」があり、ここが童学寺の前身とされています。仏教建築の特色を見せる構造が発見されており、歴史の深さが伺えます。

文化財と災害の歴史

正和元年（1312年）には津茂・松家の両氏による修繕が行われ、天正年間（1573年 - 1592年）には長宗我部元親の兵火により全山が焼失しました。元禄年間（1688年 - 1704年）には、肥後出身の僧堪霊により再建が進められ、安政5年（1858年）には昌平校の教授、安積信が童学寺の縁起をまとめた碑文が建立されました。 2017年3月には大きな火災が発生しましたが、重要文化財に指定されている木造薬師如来坐像は無事でした。

境内探索

境内には、山門や本堂などの重要な建物が点在しています。本堂の歓喜天堂が仮の本堂として機能しており、稚児大師像が見られる大師堂もあります。また、八十八ケ所堂や三十三観音回廊、遍照堂など、さまざまな宗教的なスポットが存在し、訪れる人々は各所でお砂を踏み、巡礼の気分を味わえます。特に、経蔵には古い経典が保管され、学問を重んじる場所としての役割を果たしています。

文化財の見どころ

重要文化財として指定されている木造薬師如来坐像は、古色漆箔で作られ、高さ64.0 cmの平安時代の仏像です。他にも、切支丹灯籠や庭園「逍遥園」など、歴史的な価値を有する文化財が数多く存在します。特に庭園は池泉回遊式で、美しい風景が訪れる人々を癒やします。

アクセス情報

童学寺へのアクセスは、四国旅客鉄道の徳島線・石井駅から徒歩30分または徳島バス「石井署」下車後、徒歩18分です。信仰の道を歩みながら、その深い歴史と美しい自然を体験することができます。

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