竹内オサム

竹内オサム（たけうち おさむ、1951年7月1日生まれ、本名：竹内長武）は、日本の漫画研究家、漫画家であり、同志社大学社会学部の名誉教授です。彼は日本児童文学学会と日本マンガ学会の会員でもあります。

生い立ちと学歴

大阪府出身の竹内オサムは、大阪教育大学大学院修士課程を修了しました。その後、大阪国際女子大学教授、同志社大学文学部教授を経て、社会学部メディア学科教授を務め、2022年に定年退職し名誉教授となりました。彼の専門は児童文化とマンガ史であり、特に戦前のマンガ史と手塚治虫の研究において顕著な業績を残しています。

漫画家としての活動と研究

大学時代には漫画家を目指し、村上知彦、雑賀陽平、高宮成河、亜庭じゅんらとともに漫画創作誌『空飛ぶまんが アップル・コア』に参加しました。1970年代後半からは子ども漫画の研究活動を本格的に開始し、日本における漫画研究の分野を確立することに尽力しました。

竹内は『マンガと児童文学の〈あいだ〉』で第14回日本児童文学学会奨励賞を受賞しました。また、1997年に創刊したマンガ・アニメ・児童文化の批評研究誌『ビランジ』を主宰し、この雑誌は2022年の50号で終刊しました。さらに、2000年から2002年にかけて、第4回から第6回までの手塚治虫文化賞の選考委員を務め、2013年にはイタリアのミラノ・マンガフェスティバルの監修も担当しました。

受賞歴と業績

2018年には、第21回文化庁メディア芸術祭で功労賞を受賞しました。2023年には、『ビランジ』の25年にわたる発行活動が評価され、第52回日本漫画家協会賞のまんが王国・土佐賞と、第47回日本児童文学学会特別賞を受賞しています。

竹内は大学時代に漫画家を目指しており、集英社主催の手塚賞の最終候補に2度残った経験があります。卒業論文「『鉄腕アトム』におけるアトム像の変遷」を執筆する際には、手塚治虫本人に取材し、手塚から命名されたペンネーム「おさ・たけし」で漫画作品も発表しています。現在も「なんてユータン」をInstagramとTwitterで連載しています。

主な著作

漫画
『マグノリア』（青心社、2006年）※おさ・たけし名義

評論
『マンガと児童文学の<あいだ>』（大日本図書、1989年）
『手塚治虫論』（平凡社、1992年）
『戦後マンガ50年史』（筑摩書房、1995年）
『子どもマンガの巨人たち 楽天から手塚まで』（三一書房、1995年）
『児童文化と子ども学』（久山社、1997年）
『漫画・まんが・マンガ』（青弓社、1998年）
『絵本の表現』（久山社、2002年）
『マンガ表現学入門』（筑摩書房、2005年）
『手塚治虫 アーチストになるな』（ミネルヴァ書房、2008年）
『本流!マンガ学 マンガ研究ハンドブック』（晃洋書房、2009年）
『手塚マンガの不思議』（晃洋書房、2016年）
『手塚治虫は「ジャングル大帝」にどんな思いを込めたのか－「ストーリーマンガ」の展開』（ミネルヴァ書房、2021年）
『手塚治虫語辞典』（誠文堂新光社、2023年）

その他
私家版として、『マンガの批評と研究+資料』（1997年）、『マンガ研究ハンドブック』（2008年）、『竹内オサム・新聞雑誌スクラップ』（2010年）、『「手塚マンガの映画的手法」と『鋭角』』（2018年）などを刊行。

編著
『少年漫画集』（三一書房、1988年）
『マンガ批評大系』全4巻（平凡社、1989年） - 村上知彦と共編
『アニメへの変容 原作とアニメとの微妙な関係』（現代書館、2006年） - 小山昌宏と共編
『マンガ学入門』（ミネルヴァ書房、2009年） - 夏目房之介と共編
『現代漫画博物館』（小学館、2006年）- 編集委員
『マンガ・アニメ文献目録』（日外アソシエーツ、2014年）- 監修
『マンガ文化55のキーワード』（ミネルヴァ書房、2016年） - 西原麻里と共編
『日本児童雑誌編集者会機関誌『鋭角』―高度成長期のマンガ・出版・読書』（金沢文圃閣、2019年）

受賞歴

1990年：第14回日本児童文学学会奨励賞 -『マンガと児童文学の〈あいだ〉』
2018年：第21回文化庁メディア芸術祭功労賞〈文部科学大臣賞〉
2023年：第52回日本漫画家協会賞まんが王国・土佐賞 -『ビランジ』
2023年：第47回日本児童文学学会特別賞 -『ビランジ』

外部リンク

ビランジ
* 竹内オサムのウェブサイト

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