日本児童文学学会

日本児童文学学会について

日本児童文学学会は、児童文学および児童文化の研究を目的とした学術研究団体です。この学会は、研究者間の交流を深め、研究活動を支援することで、児童文学と児童文化の発展に寄与することを目指しています。

概要

学会の目的は、児童文学・児童文化の研究を促進し、会員間の連携を強化し、研究調査の便宜を図り、児童文学・児童文化の発展に貢献することです。主な活動として、年1回の研究大会と、年4回東京で開催される研究例会があります。また、年1回発行される学会誌『児童文学研究』や、年2回発行される会報「日本児童文学学会会報」を通じて、研究成果を発信しています。

1977年からは、児童文学・児童文化に関する優れた研究書や業績を対象とした日本児童文学学会賞を設け、新人向けの奨励賞、特別賞も合わせて毎年表彰を行っています。この賞は、児童文学研究の質の向上と、新たな才能の発掘を促す重要な役割を果たしています。

学会は1962年10月6日に設立され、初代会長は石森延男氏が務めました。設立当初の事務局長は村松定孝氏、常任理事には猪熊葉子氏、神宮輝夫氏、鳥越信氏、滑川道夫氏、福田清人氏、藤田圭雄氏、渡辺茂男氏らが名を連ねていました。

歴代会長

学会の歴代会長は以下の通りです。

1962年 – 石森延男
1976年 – 滑川道夫
1993年 – 冨田博之
1995年 – 浜野卓也（代行）
1995年 – 中川正文
2001年 – 原昌
2008年 – 向川幹雄
2011年 – 佐藤宗子
2015年 – 川勝泰介
2019年 – 宮川健郎
2023年 – 浅岡靖央

日本児童文学学会賞

日本児童文学学会賞は、児童文学および児童文化の研究において優れた業績を上げた研究者や作品を顕彰するものです。以下に、第1回から第50回までの受賞作品・受賞者の一部を記載します。

第1回から第10回

第1回（1977年）
学会賞: 藤田圭雄 『解題戦後日本童謡年表』、鳥越 信 『日本児童文学史年表 II』
奨励賞: 勝尾金弥 『黎明期の歴史児童文学』
第2回（1978年）
学会賞: 『校本 宮澤賢治全集』
奨励賞: 二上洋一 『少年小説の系譜』
第3回（1979年）
学会賞: 故 恩田逸夫の宮澤賢治研究の業績
第4回（1980年）
奨励賞: 鈴木徹郎 『ハンス・クリスチャン・アンデルセン : その虚像と実像』
第5回（1981年）
学会賞: 『校定 新美南吉全集』
奨励賞: 上野浩道 『芸術教育運動の研究』
第6回（1982年）
学会賞: 瀬田貞二 『落穂ひろい : 日本の子どもの文化をめぐる人びと』
特別賞: 渋沢青花 『大正の「日本少年」と「少女の友」 : 編集の思い出』
第7回（1983年）
学会賞: 金田一春彦『十五夜お月さん : 本居長世 人と作品』
奨励賞: 落合幸二 『ロビンソン・クルーソーの世界』、三宅興子・島 式子・畠山兆子 『児童文学はじめの一歩』
第8回（1984年）
学会賞: 関 英雄 『体験的児童文学史 前編 : 大正の果実』
奨励賞: 佐藤宗子 『「家なき子」の旅』
特別賞: 与田準一 編 『金子みすゞ全集』
第9回（1985年）
学会賞: 鈴木重三・木村八重子・中野三敏・肥田皓三 編 『近世子どもの絵本集』
奨励賞: 本田和子・皆川美恵子・森下みさ子 『わたしたちの「江戸」 : 〈女・子ども〉の誕生』
第10回（1986年）
奨励賞: 佐藤通雅 『日本児童文学の成立序説』
特別賞: 木坂俊平 「関西の童謡運動史」


（第11回から第50回までの受賞作は省略）

関連団体

児童文学に関わる他の団体として、日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会、日本児童ペンクラブ、日本児童図書出版協会があります。

外部リンク

日本児童文学学会 - 公式ウェブサイト
日本児童文学学会 - 学会名鑑


日本児童文学学会は、長年にわたり児童文学研究の中心的な役割を果たしており、その活動は児童文学の発展に不可欠です。

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