竹本正雅

竹本正雅の生い立ちと経歴

竹本正雅（たけもと まさつね）は、文政9年（1825年）に生まれた幕末期の幕臣であり、甲斐守としての役割を果たしました。彼の父親は旗本の荒川練賢であり、母親は片桐氏という家系に生まれ育った竹本は、後に竹本家に養子として迎えられました。

外交官としての活動

竹本は明治元年（1868年）まで活躍し、彼の政治経歴は安政6年（1859年）に始まりました。この年の10月、彼は外国奉行に就任し、翌月からは神奈川奉行も兼任しました。彼は特に日普修好通商条約の調印において全権委員として重要な役割を果たし、その調印は万延元年12月23日（1861年1月24日）に行われました。この条約は、日本とヨーロッパ諸国との交流において重要な意味を持っていました。

竹本は文久2年（1862年）に大目付として任命され、その後再度外国奉行を兼任しました。特に文久3年（1863年）には英国代理公使ジョン・ニールとの会談が行われ、将軍が天皇を説得できなかった場合の内乱の可能性についての議論が交わされました。この際、ニールは幕府に対する支援を約束しました。

生麦事件との関わり

竹本は続いて生麦事件の交渉に当たり、この事件の賠償金は非常に高額でした。イギリスは竹本ら幕府に対し、賠償金を支払った場合には軍事的援助を提供することを申し出ましたが、この申し出に関する意志決定は江戸の留守政府には困難をもたらしました。将軍徳川家茂が居る京都へ竹本は向かい、最終的には賠償金の支払い方法の合意を取り付けるものの、急に体調を崩したためにその後の交渉に参加できない事態になりました。

この結果、賠償金は最終的に1863年5月9日（6月24日）に11万ポンドが支払われる形となりました。竹本はまた、咸臨丸に乗船して江戸を離れ、大坂で朝廷に対する軍事行動の阻止を目指しましたが、最終的には失敗に終わりました。

幕末の外交と竹本の役割

1864年には下関戦争の処理交渉を担当し、さらには外務関連の業務をおこなうこととなりますが、11月には外国奉行を免ぜられて外交の第一線を退きます。竹本の政治生活は幕末の混乱を背景に進展し、幕府倒壊後まもなく病に倒れました。彼の墓所は新宿区の善国寺を経て、池上本門寺へと改葬されています。

竹本正雅の生涯は、幕末の政治と外交の激動のなかで重要な役割を担ったもので、その功績は今日でも高く評価されています。

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