竹腰正信

竹腰正信の生涯

竹腰正信（たけのこし まさのぶ）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した著名な武将で、彼は美濃国今尾藩の初代当主として知られています。正信は尾張藩附家老を奏する竹腰家の祖となる人物であり、初代尾張藩主である徳川義直の異父兄として、重要な歴史的立場にありました。

幼少期と成長

天正19年（1591年）、竹腰正信は竹腰正時とお亀の方の長男として誕生しました。お亀の方は志水宗清の娘であり、家康の側室となることで、正信の家族背景に大きな影響を与えました。文禄3年（1594年）には、母が徳川家康の側室となり、家康の後ろ盾を得ることになります。

その後、文禄4年（1595年）には彼の異母弟である仙千代、さらに慶長5年（1600年）には五郎太丸（後の徳川義直）が誕生しました。このような影響力のある家族関係から、正信は早くから政界に進出することとなります。

慶長6年（1601年）、正信は甲斐国に5,000石を与えられ、その後も徳川家の一員として仕官する機会が増え、特に慶長12年（1607年）には義弟である義直の後見を務めることになります。これにより、彼は尾張藩の中核を担う存在となります。

政治と軍事での活躍

江戸幕府初代将軍である徳川家康が駿府に移った際、正信は本多正純、安藤直次、成瀬正成などと共に家康の側近として重要な役割を果たしました。慶長16年（1611年）には従五位下・山城守に叙任され、同年には未亡人である平岩親吉の跡を継いで22歳で尾張藩の執政にも任命されました。

これに伴い、名古屋城の普請を監督する仕事も担い、彼の権力基盤が一層強固なものとなりました。さらに、慶長17年（1612年）には2代将軍・徳川秀忠の御前で砲術の実力を示し、褒美として1万石を賜り、その後元和5年（1619年）には義直から再び加増を受け、総領地は3万石に達しました。これにより、正信は美濃国今尾を居所とし、今尾藩の創設者となるのです。

晩年と家系

竹腰正信は正保2年（1645年）に死去しました。その後、竹腰家は成瀬家と共に尾張藩の附家老を務める家柄として続き、幕末に至るまでその地位を保ちました。

正信の家庭には、彼の正室である春があり、彼女は大久保忠隣の養女でした。また、正信には三人の子供がいました。長男の竹腰成方、次男の竹腰正晴、そして三男の竹腰正辰です。このように正信の系譜は、彼自身の政治的影響力を後世に伝える重要な要素ともなっています。


竹腰正信の人生は、戦国時代と江戸時代の移り変わりの中で、いかに彼が政界で実力を持ち続けたかを示すものです。彼の業績は、尾張藩の発展に大きく寄与したものとして評価されており、歴史の中で彼の名は称えられることとなりました。

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