第二十二号掃海艇

第二十二号掃海艇（だいにじゅうにごうそうかいてい）は、日本海軍が運用した掃海艇の一つです。第十九号型掃海艇の4番艇として建造されました。

計画から竣工まで

本艇は、昭和16年度計画において、仮称艦名第167号艦として計画された700トン型掃海艇として始まります。1941年10月6日、東京石川島造船所で起工されました。

翌1942年3月1日、「第二十二号掃海艇」と命名され、舞鶴鎮守府を本籍地と仮定され、この時点では第七号型掃海艇の9番艇に定められていました。しかし、4月1日には艦艇類別等級別表の改正に伴い、新たに設けられた掃海艇の部中の第十九号型の4番艇へと変更されます。同月28日には無事進水。7月5日には深川区の石川島造船所深川工場内に艤装員事務所が設置され、各種準備が進められました。そして7月31日、第二十二号掃海艇は竣工。同日付で本籍が正式に舞鶴鎮守府に定められ、第八艦隊第八根拠地隊に附属として編入されました。竣工後、横須賀へ回航して舷外電路の試験や一部弾薬の搭載を行い、8月1日には本籍地の舞鶴へと回航しました。

南方への進出と活動（1942年後半～1943年前半）

舞鶴へ到着した本艇は、8月4日から防弾板設置、磁差修正、水中探信儀修理、需品積み込みなどの最終整備を受けました。同月13日、整備完了とともに舞鶴を出港し、南方の重要拠点ラバウルを目指します。サイパン、トラックを経由し、26日にはトラックからラバウルへ向かう特設運送船さんくれめんて丸の護衛を開始、29日にラバウルに到着しました。

ラバウル到着後、第二十二号掃海艇はビスマーク群島方面海上防備部隊や護衛部隊に配置され、活発な行動を開始します。9月には陸軍徴傭船松江丸や和浦丸を護衛し、バザブアでの荷揚を警戒。ラバウル外港での対潜警戒にも従事しました。26日からは特設水上機母艦山陽丸を護衛しショートランドへ向かい、到着後は軍隊区分ショートランド方面防備部隊に配置されます。

10月以降、本艇はショートランドとラバウル間を中心とした船団護衛任務に従事しました。護衛中に爆雷戦を実施した記録や、特務艦鳴戸、鶴見などの護衛も行っています。この間、陸軍徴傭船ぶりすべん丸護衛中に能登丸が被雷した際には、その護衛と爆雷戦に参加するなど、多忙な日々を送りました。

11月1日からは第八艦隊第一根拠地隊に編入され、ショートランド泊地を拠点に哨戒、掃海、設標といった重要な任務に就きました。11月と12月にはムンダへの輸送作戦にも参加しています。

1943年に入っても、第二十二号掃海艇はラバウルとショートランドを結ぶ船団護衛や、コロンバンガラ島への輸送護衛を継続しました。3月には修理のためラバウルに入港し、4月1日まで在泊しました。

内地帰還、再度の南下、そして損傷（1943年後半～1944年初頭）

南東方面での任務が続く中、5月にはコロンバンガラ島やベララベラ島への輸送船護衛に従事。7月17日、ショートランドで空襲を受け被爆、損傷を負いました。損傷した本艇は、同じく被爆した第15号掃海艇を曳航し、ラバウルへ回航。20日からラバウルで修理と検査を受けました。

8月1日、第二十二号掃海艇は舞鶴鎮守府部隊へ転属となり、舞鶴鎮守府警備掃海艇としての役務が定められました。海面防御部隊や護衛部隊第一護衛隊に配された本艇は、ラバウルからオ605船団を護衛してパラオへ向かい、9月2日に到着。その後、9月17日に舞鶴へ帰還しました。舞鶴では、舞鶴海軍工廠で修理と並行して九三式水中聴音機二型甲小艦艇用の設置工事を実施。工事完了後の10月下旬には能登半島猿山岬沖での哨戒に従事しました。

しかし、内地での任務は短期間に終わります。11月5日には南東方面艦隊作戦指揮下への編入が内示され、舞鶴へ回航。11月10日、正式に南東方面艦隊の作戦指揮下に入り、軍隊区分R方面防備部隊に配置されました。二式掃海具二型を搭載し、11月17日には再び舞鶴を出港、南方へ向かいました。

12月5日、トラックに入港。10日には再び第八艦隊第八根拠地隊に編入されました。トラックを出港する船団護衛や、カビエンへの輸送護衛、掃海作業などに従事しましたが、12月25日、カビエン在泊中にアメリカ艦上機の空襲を受け損傷。直撃は免れたものの多数の至近弾により広範囲に不具合が生じ、2名が戦死、16名が重軽傷を負いました。損傷した特設運送船清澄丸の護衛任務中に、同船が航行不能となったため曳航するなどの困難に直面しながらも、トラックへの回航を目指しました。

最後の航跡と沈没（1944年初頭～最期）

1944年1月1日、清澄丸護衛中に同船が被雷し再び航行不能に。本艇は清澄丸を警戒しつつ、来援した艦艇に燃料補給を受けて1月6日トラックに入港しました。トラックでは明石などの支援を受けつつ応急修理を実施。1月27日には4127船団に同行しサイパンへ向かい、その後父島を経由して2月19日に横須賀に到着しました。

横須賀からは7221船団を護衛し、2月27日に舞鶴へ帰還。2月29日から舞鶴海軍工廠で本格的な修理と近代化改装が実施されました。この際、主砲1基が撤去され、代わりに25mm機銃が増設されています。修理中の3月10日付で第四艦隊第三十根拠地隊附属に編入されました。修理は4月2日まで続きました。

修理完了後、4月8日に舞鶴を出港。門司、鎮海を経由してタモ船団（竹モタ17船団）を護衛し、4月27日マニラに到着しました。

5月以降はフィリピン南部やインドネシア方面での活動が中心となります。陸軍徴傭船青葉山丸護衛中の被雷や、海軍徴傭船第十二雲海丸、特設運送船彦島丸などの護衛、パラオ、ヤップ、ダバオ間での輸送支援に従事しました。

6月1日には南西方面艦隊作戦指揮下に入り、濠北部隊、第六警備部隊などに配置され、ソロン、アンボン、カウ湾方面で輸送船護衛任務に就きました。この間、タワでの触礁事故に遭いましたが、曳航により離礁に成功。また、帆風と行動を共にした際には、津軽救援に向かったり、帆風が被雷沈没した際に現場で対潜制圧を行うなど、激しい戦場での任務を続けました。7月後半はスラウェシ島周辺海域で護衛と対潜掃蕩に従事しました。

度重なる激務と損傷を乗り越え、南方で活動を続けた第二十二号掃海艇でしたが、1944年11月11日、パラオ付近でアメリカ軍機の空襲を受け、ついに沈没しました。短いながらも激動の生涯を閉じました。

1945年1月10日、第二十二号掃海艇は掃海艇籍から除かれ、帝国掃海艇籍からもその名を消しました。

歴代掃海艇長

艤装員長：藤森三郎 予備大尉（1942年6月30日 - 1942年7月31日）
掃海艇長：藤森三郎 予備大尉/大尉（1942年7月31日 - 1944年4月1日）
* 掃海艇長：安田弘 大尉/少佐（1944年4月1日 - 1944年11月11日）

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