第二次コンゴ戦争

第二次コンゴ戦争

第二次コンゴ戦争は、1998年8月から2003年7月にかけて、コンゴ民主共和国を舞台に繰り広げられた大規模な紛争です。第一次コンゴ戦争のわずか1年後に勃発し、アフリカ大戦とも呼ばれ、周辺国を巻き込む深刻な事態となりました。

背景

紛争の背景には、民族対立と資源をめぐる争いがあります。第一次コンゴ戦争では、ローラン・カビラ率いるコンゴ・ザイール解放民主勢力連合(AFDL)がモブツ・セセ・コ政権を打倒しました。AFDLの主力は、コンゴ東部に住むツチ系住民バニャムレンゲで、ルワンダとウガンダの支援を受けていました。しかし、カビラが大統領になると、バニャムレンゲを排除する姿勢を示し、緊張が高まります。バニャムレンゲは東部へ移動し、ルワンダはコンゴ民主連合(RCD)の結成を、ウガンダはコンゴ解放運動(MLC)の結成を支援しました。

戦闘の経過

1998年8月、コンゴ民主連合(RCD)が武装蜂起し、第二次コンゴ戦争が勃発しました。カビラの軍事介入要請に応じたジンバブエ、ナミビアなどが政府軍を支援し、スーダンやチャドもこれに続きました。一方、アンゴラがカビラ側で参戦したため、アンゴラの反政府組織UNITAがRCD側を支援し、アンゴラ軍を攻撃しました。

1999年7月、ルサカ停戦協定が調印されましたが、カビラ大統領が国連部隊の自由な展開を拒否したため、停戦は実現しませんでした。2001年1月、カビラ大統領が暗殺され、息子のジョゼフ・カビラが大統領に就任しました。その後、アディスアベバ対話、サンシティ合意、プレトリア包括和平合意など、和平に向けた動きがありましたが、紛争はなかなか終息しませんでした。

影響

第二次コンゴ戦争は、現代アフリカ史上最悪の戦争と言われ、8つの周辺国と少なくとも25の武装勢力が関与しました。2003年6月に挙国一致政府の設立が合意され、7月に暫定政府が発足しましたが、反対勢力の活動は収まらず、2004年には栄養失調や病気で毎日約1万人が死亡しました。この戦争とその影響で、2008年までに500〜600万人が死亡したと推定されています。これは、第二次世界大戦以来最悪の規模です。100万人以上が難民となり、周辺国へ避難しましたが、難民の一部も組織的に虐殺されました。暫定政権は国内を掌握できず、東部では虐殺、略奪、強姦が頻発しました。紛争の影響は、鉱山資源の獲得競争などを背景に2013年現在も続いています。

2003年には、コンゴ共和国でエボラ出血熱が流行し、100名以上が死亡しました。また、同国に生息するゴリラにも感染が広がり、2005年までに全個体数の2/3にあたる約5,500匹が死亡したと報告されています。

第二次コンゴ戦争は、紛争当事国だけでなく、周辺地域にも大きな影響を与え、多くの人命を奪い、社会を破壊しました。紛争の根源にある民族対立や資源問題を解決し、平和な社会を築くためには、国際社会の継続的な支援が必要です。

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