李烈鈞

李烈鈞（り れつきん）

李烈鈞（1882年2月23日 - 1946年2月20日）は、清朝末期から中華民国にかけての軍人であり政治家です。彼は中国同盟会、中国国民党に所属し、事実上、中華民国における初代江西都督となりました。本名は李烈訓、字は協和、号は侠黄と称しました。

生涯

清末の活動

1902年、李烈鈞は江西武備学堂に入学。1904年には日本へ留学し、東京振武学校で学びました。その後、陸軍士官学校で砲術を学び、閻錫山、李根源、唐継尭、程潜らと同期でした。日本留学中に革命思想に共鳴し、中国同盟会に加入する一方で、北洋系の武学社にも参加しました。

1908年に陸軍士官学校を卒業して帰国すると、江西混成協第54標第1営管帯に任命されましたが、反清思想を広めたとして一時拘禁されます。1909年には昆明に移り、雲南陸軍講武堂の教官となりました。

辛亥革命と二次革命

1910年10月、武昌起義に呼応した江西省の革命派に招かれ帰還。中華民国九江軍政分府の総参謀長に推戴されました。その後、安徽省の革命派の要請を受け援軍に向かい、安徽都督に推戴されます。11月下旬には、北軍に包囲された武昌の黎元洪を救援し、五省聯軍総司令兼中央軍総司令に任命されました。

1912年、江西省議会は李烈鈞を江西都督に選出。彼は江西省の軍事・政治改革に取り組み、人心の安定と近代化建設に尽力しました。しかし1913年、孫文らと二次革命を発動。袁世凱に反対する電報を送り、袁世凱は李烈鈞を罷免し、南北両軍の戦いが始まりました。緒戦は善戦したものの、北軍に敗北し、日本へ亡命。その後は欧州やアジアを外遊しました。

護国戦争と護法戦争

1915年、李烈鈞は中華革命党に加入。孫文の指示により雲南省で西南の都督を取り込む活動を開始しようと帰国。護国戦争に参戦し、護国軍第2軍総司令に任命され、広西省方面へ進軍しました。

1916年、広西将軍陸栄廷が護国軍側に寝返ったため、彼と協力して広東省への進攻を開始。広東将軍竜済光を破り海南島へ追いやりました。その後、袁世凱が死去し、李烈鈞は香港や上海へ退きました。

1917年、孫文が広州で中華民国軍政府を樹立すると、李烈鈞は大元帥府総参謀長に任命され、護法戦争に参加。1919年、孫文が中華革命党を中国国民党に改組すると、李烈鈞は代理大元帥に任命され、広州の事務を管轄しました。1920年、孫文が北伐のための大本営を設立すると、李烈鈞は大本営総参謀長に任命されました。

中国国民党成立以後

1924年、国民党の第1回全国代表大会に参加し、中央執行委員に選出。1925年に孫文が死去すると、国民党右派の反共路線を支持しました。

1927年、蔣介石が南京で国民政府を設立すると、李烈鈞も参加し、国民政府常務委員兼軍事委員会常務委員に任命されました。同年8月、蔣介石が下野すると、孫伝芳の進軍に対し国民政府側の軍をまとめ、孫伝芳を撃破しました。

1928年以降は南京を離れ、上海で療養生活を送りました。1937年、国民党五期三中全会では、宋慶齢や馮玉祥らと共に、蔣介石に中国共産党と連携して日本に抗戦するよう求めました。同年には、西安事変を起こした張学良の裁判において裁判長を務めました。

1946年2月20日、重慶で死去。享年65歳でした。

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