第100爆撃航空団 (ドイツ空軍)

第100爆撃航空団：滑空爆弾の先駆者

第100爆撃航空団(Kampfgeschwader 100、KG 100)は、第二次世界大戦下、ドイツ空軍に所属した中型・大型爆撃機部隊です。その歴史は、1941年11月29日、フランスのシャルトルにおいて第100爆撃飛行隊の拡大編制から始まりました。当初は2個飛行隊でしたが、後に4個飛行隊へと規模を拡大し、激戦を繰り広げることになります。

KG 100の各飛行隊は、ヨーロッパ各地の戦線で活躍しました。第1飛行隊(I./KG 100)は1942年から1943年にかけて東部戦線南部で戦闘に従事した後、イギリス海峡の戦線に移り、イギリス空爆作戦に参加しました。1944年5月には、第1爆撃航空団へ転属しています。

第2飛行隊(II./KG 100)は、第26爆撃航空団の第3飛行隊を改編して1941年12月に発足。東部戦線中央部、そしてギリシャでの作戦に従事しました。第3飛行隊(III./KG 100)は1942年9月、第126（洋上）偵察飛行隊を基に編成され、ギリシャでの作戦活動を経て、1943年7月からは地中海戦域で活動しました。

KG 100の歴史において特筆すべきは、誘導爆弾の運用です。フリッツXやヘンシェルHs 293といった誘導式対艦兵器を専門的に運用する部隊として知られ、1943年9月9日には、イタリア海軍の戦艦ローマを撃沈するという戦果を挙げています。これは、滑空誘導爆弾を実戦で使用した最初の事例であり、フリッツXによる最初の成功例としても記録されています。この成功は、KG 100が当時の軍事技術革新の最前線にいたことを示すものです。

様々な戦線でその存在感を示したKG 100でしたが、1944年8月20日に解隊となりました。その活動期間は比較的短かったものの、その功績、特に誘導爆弾の運用における先駆的役割は、第二次世界大戦の歴史において重要な位置を占めています。

歴代航空団司令

ハインツ・フォン・ホレーベン中佐 (1941年11月29日 – 1943年4月22日)
フリッツ・アウフハマー少佐 (1943年5月4日 – 1943年9月10日)
* ベルンハルト・ヨーペ中佐 (1943年9月10日 – 1944年8月8日)

KG 100は、その精鋭部隊としての名声、そして滑空爆弾運用における先駆性から、第二次世界大戦史において重要な位置を占める部隊として記憶されています。彼らの戦功と犠牲は、現代においても研究・考察の対象となっています。彼らの活躍は、戦争の技術的側面と人間のドラマを同時に物語っています。 今後の研究においても、更なるKG 100の活動に関する知見が明らかになることが期待されます。

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