第11回日本レコード大賞

第11回日本レコード大賞

1969年12月31日、帝国劇場で行われた第11回日本レコード大賞は、同アワードの歴史において記憶に残る日となりました。この年の大賞には佐良直美の「いいじゃないの幸せならば」が選ばれ、彼女にとって初の受賞となりました。調査によると、事前に「大賞の有力候補」とされていた森進一の「港町ブルース」は、惜しくも1票差での敗北を喫する結果となりました。

新設された賞とテレビ中継

この年からは、最優秀歌唱賞が新たに設けられ、受賞者の歌唱力を評価する機会が増えました。また、前年からの流れを受けて、初めてテレビによる生中継が実施され、全国的な視聴者に向けた放送が行われました。この中継は大晦日という特別な日だったことから、前半パートは「オールスター大行進」と題され、受賞者以外の多くの芸能人も参加しました。さらに、以降の回では、全ての映像が鮮明なカラーで保存されています。

司会者と視聴率

この回の司会は高橋圭三と浅丘ルリ子が担当し、特に高橋圭三はその後のレコ大の顔として1983年の第25回まで司会を務めました。視聴率は前年の10.3%から大幅に上昇し、30.9%に達したことからも、このイベントの盛り上がりが伺えます。

受賞者一覧

日本レコード大賞の受賞者は以下の通りです。

• - 大賞: 佐良直美「いいじゃないの幸せならば」

- 作詞: 岩谷時子
- 作曲・編曲: いずみたく
- レコード会社: 日本ビクター

• - 最優秀歌唱賞: 森進一「港町ブルース」
• - 最優秀新人賞: ピーター「夜と朝のあいだに」
• - 歌唱賞: 青江三奈「池袋の夜」、弘田三枝子「人形の家」、加藤登紀子「ひとり寝の子守唄」
• - 大衆賞: 水前寺清子「三百六十五歩のマーチ」、森山良子「禁じられた恋」
• - 新人賞: はしだのりひことシューベルツ、内山田洋とクール・ファイブ、千賀かほる、高田恭子
• - 作曲賞: 筒美京平「ブルー・ライト・ヨコハマ」
• - 編曲賞: 寺岡真三、「悲しみは駈け足でやってくる」
• - 作詩賞: 山上路夫
• - 特別賞: 佐伯孝夫
• - 企画賞: 東芝音楽工業株式会社
• - 童謡賞: 「うまれたきょうだい11にん」

その他の出演者とエンターテインメント

今回のイベントには、多くの著名なゲストも参加しました。ハナ肇とクレージーキャッツ、ザ・ドリフターズ、橋幸夫、黛ジュンなど、豪華な顔ぶれが揃い、受賞者へのトロフィー贈呈などが行われました。また、コーラスやダンスなど、パフォーマンスも充実しており、観客を楽しませました。ミュージシャンたちが年末の特別な瞬間を盛り上げました。

まとめ

第11回日本レコード大賞は、佐良直美の大賞受賞を通じて、新たな伝説の幕開けを示した一夜でした。このイベントは、音楽業界に新たな風を吹き込み、今後の音楽賞の在り方に影響を与える出来事として記憶されることでしょう。

もう一度検索