ブルー・ライト・ヨコハマ

ブルー・ライト・ヨコハマ

「ブルー・ライト・ヨコハマ」は、1968年12月25日に発売された、いしだあゆみの26枚目のシングルです。横浜を代表するご当地ソングとして知られ、その美しいメロディーと歌詞は多くの人々を魅了してきました。

楽曲の背景とヒット

この楽曲は、横浜市によるご当地ソングアンケートで1位を獲得するなど、地元での人気も非常に高いです。2008年12月からは京急本線の横浜駅で接近メロディとして使用されており、駅を訪れる人々に親しまれています。

「ブルー・ライト・ヨコハマ」は、いしだあゆみにとって最大のヒット曲の一つであり、累計150万枚を超える売上を記録しました。オリコン週間1位を獲得し、1969年の年間チャートでも第3位にランクインするなど、社会現象とも言えるほどの人気を博しました。この曲での成功がきっかけとなり、いしだあゆみは1969年の『第20回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たしました。その後も、1973年、1993年と計3回紅白で歌唱されています。

作曲を手掛けた筒美京平にとっても、初のオリコン週間1位獲得曲となりました。筒美京平はこの曲で第11回日本レコード大賞・作曲賞を受賞しています。作詞者の橋本淳は、横浜市中区山手にある港の見える丘公園から見える工業地帯の夜景と、フランス・カンヌの夜景の美しさを重ねて歌詞を制作したとされています。

エピソード

1969年2月24日放送のフジテレビ系列『夜のヒットスタジオ』で、いしだあゆみが歌唱中に感極まって号泣する場面がありました。共演していた森進一がハンカチで彼女の涙を拭うという一幕もあり、当時の視聴者に強い印象を与えました。いしだあゆみは当時を振り返り、「私、凄く上がってしまい、何歌ってるのか分からなくなった」と語っています。

また、日本ではもちろんのこと、かつて日本の音楽が禁止されていた韓国においても、「ブルー・ライト・ヨコハマ」はソウルや釜山で広く知られていた歌謡曲であり、「韓国人が最もよく知る日本の歌」として紹介されています。朴正煕大統領も宴会で歌っていたというエピソードも残っています。BIGBANGなどのK-POPアーティストやキム・ヒョンソクは、この曲がK-POP音楽に影響を与えたと証言しています。

リリースと収録アルバム

「ブルー・ライト・ヨコハマ」は、1976年7月にはB面を「喧嘩のあとでくちづけを」に差し替えて再リリースされ、1991年7月21日には8cmCDシングルとしてもリリースされました。数多くのベストアルバムやコンピレーションアルバムに収録されており、その人気を裏付けています。

カバー

「ブルー・ライト・ヨコハマ」は、数多くのアーティストによってカバーされています。ロス・アンヘリトス、三田明、ちあきなおみ、西田佐知子、欧陽菲菲、近藤真彦、天童よしみ、徳永英明、柴咲コウ、由紀さおり＆ピンク・マルティーニ、アイナ・ジ・エンドなど、ジャンルや世代を超えた様々なアーティストがこの曲を歌い継いでいます。

漫画『サザエさん』では、サザエが駅の窓口で横浜行きの切符を買う時に「ブルーライトよこはま 1枚」と言ってしまい赤面する場面があります。2008年の映画『歩いても 歩いても』のタイトルは本曲からの引用で、映画本編でも本曲が使用されています。

上原多香子のカバー

2004年には、上原多香子がカバーシングルをリリースしました。このバージョンは、上原が出演したNHK朝の連続テレビ小説『てるてる家族』の挿入歌として使用され、新たなファンを獲得しました。

「ブルー・ライト・ヨコハマ」は、時代を超えて愛される日本の歌謡史に残る名曲です。

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