第13軍団 (北軍)

第13軍団の概要

南北戦争中の北軍第13軍団は、西部戦線およびミシシッピ川流域で活動した重要な部隊です。当初はユリシーズ・グラントが指揮を執り、その後ジョン・A・マクラーナンド、エドワード・オードといった将軍たちが軍団長を務めました。この軍団は、幾度かの再編と解散を経て、数々の戦闘に参加しました。

軍団の歴史

結成

第13軍団は、第14軍団と共に1862年10月24日に結成されました。これは西部戦線で初めて組織された軍団であり、第14軍団がウィリアム・ローズクランズ少将の部隊を統合したものであるのに対し、第13軍団はユリシーズ・グラントの指揮下にあった部隊を基盤としていました。グラント隷下の部隊は「テネシー軍」と呼ばれていましたが、第13軍団は事実上その一部でした。当初、軍団は巨大な規模であったため、グラントは右翼、左翼、中央翼に分割しました。

1862年12月、第13軍団は正式に4つの軍団に分割され、それぞれ第13、第15、第16、第17軍団としてテネシー軍に所属することになりました。グラントはテネシー軍の司令官に留まり、第13軍団長にはジョン・A・マクラーナンドが就任しました。しかし、分割の命令が伝達される前に、右翼を指揮していたウィリアム・シャーマンはヴィックスバーグへの遠征を開始していました。このシャーマン率いる第13軍団右翼は、12月26日から29日にかけてチカソー・ベイヨウの戦いに参加しました。この部隊は12月22日に正式には第15軍団となっていましたが、戦場からの報告では依然として第13軍団右翼と記されることが多かったようです。

アーカンソー・ポスト

1863年初頭、マクラーナンドはアーカンソー・ポストのヒンドマン砦に対する遠征を指揮しました。この時、マクラーナンドは自身の第13軍団だけでなく、シャーマンの第15軍団も指揮下に置いていました。マクラーナンドはこれらの部隊を「ミシシッピ軍」と呼び、第13軍団を「ミシシッピ軍第1軍団」、第15軍団を「ミシシッピ軍第2軍団」と命名しました。マクラーナンドが軍司令官となり、第13軍団長にはジョージ・モーガンが就任しました。この戦いには、アンドリュー・スミスとピーター・オスターハウスの師団が参加しましたが、激しい戦闘を経験したのはスミスの師団のスティーブン・バーブリッジ旅団のみでした。

ビックスバーグ

ビックスバーグへの侵攻作戦は、グラントが指揮を執ることになりました。マクラーナンドは軍団長に復帰し、テネシー軍はミシシッピ軍に再吸収されました。これにより、軍団の名称も「ミシシッピ軍第1軍団」から第13軍団に戻りました。ビックスバーグ方面作戦が開始された1863年3月-7月時点で、第13軍団は第9、第11、第12、第13、第14師団の5個師団で構成されており、それぞれオスターハウス、スミス、アルヴィン・ホーヴェイ、レオナード・ロス、ユージン・カーが師団長を務めていました。ただし、ロスの第13師団は作戦中もアーカンソーに留まり、戦闘には参加しませんでした。

7月になると、この師団（師団長はフレデリック・サロモン）はベンジャミン・M・プレンティス指揮下の東アーカンソー小軍管区の部隊として、ヘレナの戦いに参戦しました。5月1日のポート・ギブソンの戦いでは、第17軍団からのわずかな支援を受けつつも、第13軍団が中心となって戦いました。5月16日のチャンピオンヒルの戦いでは、マクラーナンドは軍団の全兵力を投入しませんでしたが、ホーヴェイの師団が南軍右翼への攻撃を先導しました。チャンピオンヒルの戦いの翌日には、ビッグ・ブラックリバー・ブリッジの戦いで第13軍団が単独で戦い、カーの師団が攻撃の中心となりました。

グラントが包囲戦を開始した時、第13軍団は北軍の左翼を担当しました。ビックスバーグへの攻撃において、第13軍団は1500人近い損害を出しました。グラントはマクラーナンドを軍団長として不適格と見なしており、両者の関係は長期間にわたり険悪でした。6月19日、マクラーナンドは自身が書き残したメモのために軍団長を解任され、後任にはグラントの友人で、1862年に受けた傷から回復したばかりのエドワード・オードが就任しました。オードは包囲戦の残りの期間、軍団を指揮しました。ビックスバーグ陥落後、シャーマンはそこに集結している南軍を駆逐するため、ジャクソンへの遠征を開始しました。シャーマンはこの遠征に第13軍団と、第16軍団のジェイコブ・ラーマンの師団も同行させました。カーは病気のために一時的に軍を離れ、ウィリアム・ベントンが代わって師団長を務めました。

テキサスおよびルイジアナ

ジャクソン陥落後、第13軍団はビックスバーグに戻り、その後メキシコ湾軍管区に配属替えとなりました。東アーカンソー小軍管区の部隊は軍団を離れ、スミスはテネシーでの指揮官に任命され、オスターハウスは第15軍団の師団の指揮をとることになり、ホーヴェイは妻の死去に伴い軍を辞任しました。2個師団が統合され、カドワラダー・ウォッシュバーンが師団長に就任しました。また、第17軍団からフランシス・ヘロンの師団が加わりました。

1863年秋、ナサニエル・バンクスは第13軍団をテキサスに対する沿岸方面作戦であるブウンズヴィルの戦いに投入し、これに勝利しました。1864年2月まで、軍団司令部はテキサスに置かれ、マクラーナンドが軍団長に復帰しました。

レッド川方面作戦

その後、第1師団と第2師団はテキサスに留まりましたが、バンクスは第3師団と第4師団を3月から5月にかけてのレッド川方面作戦に参加させました。作戦開始時、軍団はトーマス・ランソムが率い、第3師団長はロバート・キャメロン准将、第4師団長はウィリアム・ランドラム大佐でした。軍団は4月8日のマンスフィールドの戦いに参戦し、ランソムが負傷したため、キャメロンが一時的に軍団長を指揮しました。その後、テキサスに留まっていた第1師団の師団長であったマイケル・ロウラーが正式に軍団の指揮を執ることになりました。しかし、マクラーナンドはこれらの2個師団をバンクスの下で直接指揮することを望んでいました。その後、マクラーナンドは病気のために軍を離れ、分遣隊の指揮はロウラーが継続しました。すぐにウィリアム・ベントンが軍団長に任命されましたが、ルイジアナにあった分遣隊の指揮はロウラーが留任しました。ロウラーは5月16日のマンシュラの戦いでも分遣隊を率いました。

モービル

1864年6月11日、第13軍団は一度解散しました。しかし、1865年2月18日に第13軍団は再結成され、ゴードン・グレインジャーが軍団長に任命されました。軍団はジェイムズ・ヴィーテック、クリストファー・アンドリューズ、ベントンを師団長とする3個師団で構成されました。この新生第13軍団は、アラバマ州モービルの陥落につながったブレイクリー砦の戦いに参加しました。1865年6月20日、軍団は再び解散しました。

第13軍団には正式な記章は与えられず、兵士たちは戦争期間中を通じて記章付きの軍服を着用することはありませんでした。

参考資料

• - www.civilwararchive.com

外部リンク

• - XIII Corps history

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