ジョン・A・マクラーナンド

ジョン・アレクサンダー・マクラーナンド（1812年5月30日 - 1900年9月20日）は、アメリカ合衆国の弁護士、政治家であり、南北戦争では北軍の将軍として重要な役割を果たしました。

生い立ちと政界での活躍

マクラーナンドはケンタッキー州で生まれましたが、幼少期にイリノイ州に移住しました。彼の初期の生活と経歴は、同じイリノイ州の弁護士であったエイブラハム・リンカーンと多くの共通点を持っていました。マクラーナンドは独学で法律を学び、1832年に弁護士として認められました。同年、ブラック・ホーク戦争に志願兵として参加しました。

1835年、マクラーナンドは「ショーニータウン・デモクラット」という新聞を創刊し、編集者として活動しました。民主党員として、彼は1836年と1840年から1843年までイリノイ州議会下院議員を務め、その後、1843年から1851年と1859年から1861年までアメリカ合衆国下院議員を務めました。下院議員時代には、ウィルモット条項に反対し、連邦主義者としての立場を明確にしました。彼はまた、奴隷制廃止論者に対して批判的な立場を取り、地元有権者の支持を集めました。1860年には、下院議長選で敗れています。彼の政治的な立場は、庇護者であるスティーブン・ダグラスと同様に、連邦主義民主党員としての立場を堅持しました。

南北戦争での功績と挫折

南北戦争が勃発すると、マクラーナンドは下院議員を辞職し、イリノイ州で「マクラーナンド旅団」を組織しました。1861年5月17日には志願兵の准将に任命され、ベルモントの戦いやドネルソン砦の戦いで指揮を執りました。ドネルソン砦の戦いでは、彼の師団が南軍の急襲を受け、一時的に後退を余儀なくされましたが、その功績により少将に昇進しました。しかし、その後のシャイローの戦いでは、事実上ウィリアム・シャーマンの予備隊としての役割しか与えられず、政治的な駆け引きが彼の軍事キャリアに影響を与えることになります。マクラーナンドは東部戦線でのジョージ・マクレランの更迭を求め、西部戦線ではグラントのやり方を批判しました。

1862年10月、マクラーナンドはイリノイ州知事の協力を得て、リンカーン大統領に接触し、独立した指揮官職を求めました。その結果、彼はビックスバーグに対する遠征隊を率いることになります。しかし、1863年1月、アーカンソー・ポストを占領したものの、グラントは彼の指揮能力に疑問を持ち、自ら全軍の指揮を執ることになります。ビックスバーグ方面作戦中、マクラーナンドとグラントの間には多くの摩擦が生じ、チャンピオンヒルの戦いではマクラーナンドがわざと遅れたという疑念も浮上しました。最終的に、マクラーナンドはビックスバーグ陥落の2週間前に指揮官職を解任され、エドワード・オード将軍と交代しました。

その後、リンカーン大統領はマクラーナンドを宥めるために、1864年にメキシコ湾方面軍の第13軍団の野戦指揮官に戻しましたが、病気のためにその役割を果たすことができず、同年11月に除隊しました。

戦後の人生

戦後、マクラーナンドは1870年から1873年までイリノイ州のサンガモン地区判事を務め、1876年の民主党全国大会では議長を務めました。また、ユタ準州を監督する連邦政府諮問委員会にも参加しました。連邦議会での活動により、彼は軍人恩給を受け取ることができました。

ジョン・マクラーナンドはイリノイ州スプリングフィールドで亡くなり、同地のオークリッジ墓地に埋葬されました。彼の息子エドワード・ジョン・マクラーナンドは、インディアン戦争やフィリピンで活躍しました。また、彼の妻サラは北軍の将軍ジェイムズ・ダンラップの娘でした。

マクラーナンドは、その政治手腕と軍事的野心、そして複雑な人間関係を通して、南北戦争という激動の時代を生き抜いた人物です。

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