第137回国会

第137回国会の概要

第137回国会は1996年9月27日に召集された臨時国会であり、冒頭で衆議院が解散されたため、会期はこの日一日限りであった。この国会の前には、通常国会である第136回国会が1月22日に召集されていた。その際、自由民主党、日本社会党、新党さきがけによる連立政権であった橋本内閣は、特に住宅金融専門会社（住専）に関わる不良債権の処理と、沖縄県内の米軍用地の強制使用問題の解決に尽力していた。

橋本内閣の政治状況

当時の橋本龍太郎内閣総理大臣は、様々な圧力に直面していた。特に野党第一党の新進党や経済界からは衆議院の早期解散が求められており、党内でも連立解消を求める「保保連合派」と連立維持を希望する「維持派」とのバランスを維持するために難しい舵取りを迫られていた。住専の不良債権問題に関しては、新進党からの妨害があったものの、特定住専処理法に関連する法案が会期末の6月18日に成立し、国会の大半がこの問題に充てられた。

沖縄県の米軍用地問題

沖縄県の米軍用地問題もまた重要な懸案事項だった。第136回国会終了後に成立した行政訴訟により、最高裁判所が国側の勝訴を確認したことで、9月10日に橋本首相と沖縄県の大田昌秀知事との会談が実現した。大田知事は、9月13日に強制使用手続きを進める意向を表明し、この重要な問題を進展させることができた。

衆議院解散への道

これらの政府が抱えていた懸案が一段落したことを受け、橋本首相は衆議院を解散する決断を下した。そして、10月8日に公示、20日に投開票となる衆議院議員総選挙を視野に入れて、9月27日に臨時国会を召集した。会議の冒頭で衆議院は解散され、これにより参議院も同時に閉会した。本国会には新進党から法人税法の改正案等が提出されたが、議論されることなく廃案となった。

召集前の動き

第137回国会の召集までの経緯も注目に値する。6月19日に第136回国会が終了し、8月28日には沖縄代理署名訴訟で国側が勝訴した。その後、8月20日から30日間にわたって橋本首相が中南米を公式訪問し、帰国後に解散への流れが強くなった。9月20日には閣議決定により臨時会の召集が決定された。

まとめ

第137回国会は、短い会期ながらも日本の政治における重要な瞬間を象徴するものとなった。衆議院の解散は、国会史においても特異な事例であり、直近では第54回国会と第105回国会に次いで10年ぶりの定例であった。このような事態は、民主主義の運営において時として必要な選択であることを示している。

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