第1SS装甲軍団

第1SS装甲軍団「ライプシュタンダルテ」について

第1SS装甲軍団「ライプシュタンダルテ」（独: I. SS-Panzerkorps „Leibstandarte“）は、武装親衛隊に所属する軍団で、第二次世界大戦中に西部戦線および東部戦線で活躍しました。この軍団は、1943年6月26日にベルリンのリヒタフェルデで編成されることから始まります。この編成により、以前の番号のないSS軍団は第2SS軍団と名を改め、軍団の司令官には第1SS装甲師団の師団長であったヨーゼフ・ディートリヒが就任しました。

編成と訓練

軍団の最初の召集は、ベルギーのベヴェルローにある演習場で行われました。ここで行われた訓練により、軍団は1943年8月にイタリアのメラーノへ移動、そこでイタリア軍の武装解除に参加しました。武装解除終了後、軍団は引き続き訓練を重ね、母国の防衛活動に備えました。1943年12月には訓練が完了し、作戦を行える状態に達しました。その後、司令部はブリュッセルに設置されました。

西部戦線の作戦

1944年4月、軍団はパリ西部のセトゥイユに移動し、第1SS装甲師団や第12SS装甲師団など他の装甲師団と共に西部戦線の装甲予備として活躍しました。この時期、軍団は『ライプシュタンダーテ・SS・アドルフ・ヒトラー』という名誉称号を与えられました。連合軍のオーバーロード作戦が発動されると、軍団はファレーズに移動し、カーン地域の防衛を精力的に行いました。

特に、ミハエル・ヴィットマンが指揮するティーガー戦車隊は、イギリス軍装甲部隊の進撃を食い止め、その名を広めました。軍団はその後エプソム作戦とグッドウッド作戦において重要な役割を果たし、サン・ローでアメリカ軍に対して攻撃を行いました。しかし、コブラ作戦の発動後、軍団は大きな損害を被り、その後リュティヒ作戦に参加し、最終的にはファレーズ・ポケットにおいて制圧されることとなりました。

「ラインの守り」作戦

1944年10月、軍団はヴェストファーレンで再編成のために前線から撤退しました。12月には、バルジの戦いに備え、ヨーゼフ・ディートリッヒ指導のもとでアルデンヌに向かうこととなります。先遣部隊として、軍団配下の第1SS装甲師団が大きな役割を担い、数週間にわたる激闘が続きました。しかし、燃料の供給が不足し、攻撃は中止され、軍団は再びハンガリーへの移動を余儀なくされました。

「春の目覚め」作戦

1945年3月6日、ドイツ軍は春の目覚め作戦を開始しました。軍団は第6SS装甲軍の左翼を担当しましたが、悪天候によって進撃はすぐに停止し、ソ連軍の反撃が激化しました。軍団は後退を余儀なくされ、セーケシュフェヘールヴァール付近での激戦を経て、最終的には撤退戦を余儀なくされました。そして1945年5月8日にアメリカ軍に降伏しました。

司令官と編成

第1SS装甲軍団は様々な部隊を抱え、その編成の中には重戦車大隊や重砲大隊が含まれていました。この組織の歴史は、非常に多様で複雑な戦闘と訓練の記録を持っています。軍団は戦闘中に多数の師団と連携を取りつつ、数多くの連絡部隊を編成することで戦力を強化しました。

このように、戦争の様々な局面で活動を続けた第1SS装甲軍団「ライプシュタンダルテ」は、戦闘の歴史に名を刻んだ重要な部隊であり、その活動は今日に至るまで語り継がれています。

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