第3即応機動連隊

第3即応機動連隊について

陸上自衛隊の第3即応機動連隊は、北海道名寄市の名寄駐屯地に拠点を置く、第2師団隷下の即応機動連隊です。この部隊は、2022年3月に普通科連隊から改編され、より高い即応性と機動性を備えた部隊として再編されました。

歴史

第3即応機動連隊の前身は、1953年（昭和28年）に編成された第3普通科連隊です。この連隊は長きにわたり「朔北の第一線部隊」として、日本の国防を担ってきました。その歴史は、警察予備隊時代の1951年（昭和26年）にまで遡り、幾度かの改編を経て現在の姿に至っています。

特に、2022年の即応機動連隊への改編は、機動戦闘車部隊を中隊規模で編成し、普通科中隊を4個中隊に増強するなど、部隊の構成に大きな変化をもたらしました。また、連隊長は1等陸佐が務め、名寄駐屯地司令を兼務しています。訓練は、主に名寄演習場や鬼志別演習場で行われています。

特筆すべきは、前身の第3普通科連隊がイラク復興支援群の第1陣として派遣された実績を持つことです。

沿革

第3連隊は、1951年5月1日に警察予備隊第1管区隊隷下として高田駐屯地で新編されました。その後、部隊改編を経て、宇都宮駐屯地の第6連隊が第3連隊に改称、1952年12月20日に先遣隊が名寄駐屯地に到着しました。1953年3月には、第1大隊と第2大隊が宇都宮から名寄に移駐し、第3大隊も高田から名寄に移駐しました。

1954年7月1日、陸上自衛隊の発足に伴い、第3連隊は第3普通科連隊へと名称が変更されました。その後、大隊の改編や偵察中隊の配属、冬季挺身作戦研究演習の実施など、様々な活動を行ってきました。1980年代には、新装備の導入や装甲車化が進められ、1990年代には装輪装甲車化連隊へと改編されました。

2000年代には、後方支援体制の改編や指揮統制システムの導入、対戦車中隊の廃止などが行われ、2010年代には部隊の近代化が進められました。

2021年には、16式機動戦闘車が装備され、第3即応機動連隊準備隊が編成されました。

2022年3月17日、第2師団の機動師団化に伴い、第3即応機動連隊に改編。機動戦闘車中隊と火力支援中隊が新編され、現在の体制に至っています。

部隊編成

現在の第3即応機動連隊は、連隊本部、本部管理中隊、4個の普通科中隊、火力支援中隊、機動戦闘車中隊で構成されています。また、後方支援は第2後方支援連隊第2整備大隊即応機動直接支援中隊が担当しています。

連隊本部には、人事、情報、作戦、兵站を担当する各科が置かれ、本部管理中隊には、補給、通信、衛生、情報、施設作業、対戦車、高射の各小隊が所属しています。各普通科中隊は、96式装輪装甲車を装備し、迫撃砲小隊を保有しています。火力支援中隊は、120mm迫撃砲を装備し、機動戦闘車中隊は、16式機動戦闘車を運用します。

警備隊区

第3即応機動連隊の警備隊区は、名寄市、稚内市、士別市、豊富町、浜頓別町、中頓別町、歌登町、枝幸町、美深町、風連町、下川町、利尻町、利尻富士町、礼文町、中川町、猿払村、音威子府村の広範囲に及びます。

主要装備

連隊の主要装備は、16式機動戦闘車、96式装輪装甲車、軽装甲機動車、10式雪上車、高機動車、各種トラック、89式小銃、MINIMI機関銃、84mm無反動砲、中距離多目的誘導弾、93式近距離地対空誘導弾、81mm迫撃砲、120mm迫撃砲など多岐にわたります。

まとめ

陸上自衛隊第3即応機動連隊は、その長い歴史と変遷を経て、機動力を強化した即応部隊として、北海道北部地域における防衛の要となっています。その装備や編成は、常に変化する情勢に対応できるよう、最新の技術と戦略に基づき整備されています。

もう一度検索