第39師団 (日本軍)

第39師団

第39師団は、大日本帝国陸軍の師団の一つで、1939年（昭和14年）6月30日に新設されました。日中戦争の戦線拡大に伴い、占領地の警備や治安維持を目的として編成された、歩兵三個連隊を基幹とする師団です。同時に第38師団、第40師団、第41師団も新設され、同年には他にも多数の師団が編成されました。

編成と初期の活動

編成後、第39師団は1939年10月に華中に進駐し、第11軍の指揮下に入りました。当初は警備任務に従事していましたが、他の治安師団と同様に、数々の治安作戦にも参加しました。

戦闘歴

1940年（昭和15年）には、宜昌作戦に参加し、白河渡河戦闘で激戦を繰り広げました。同年11月には漢水作戦にも参加しています。1941年（昭和16年）2月には予南作戦、西部大洪山掃討作戦、江北作戦、第二次長沙作戦など、広範囲にわたる作戦に参加しました。その後は宜昌地区の警備に当たり、中国軍と対峙しました。1944年（昭和19年）7月には、第34軍に編入されています。

1945年（昭和20年）3月には老河口作戦に参加。この作戦で第34軍は、第12軍の河南方面作戦に呼応する任務を担いました。当時、湖北省一帯の制空権は連合国軍が掌握しており、厳しい状況下での作戦となりました。師団主力は3月21日に荊門を出発し、独立歩兵第5・第11旅団と共に中国軍第5戦区の防衛地域へ向けて北進を開始。桐木嶺、塩池廟一帯で中国軍第59軍の一部と交戦しました。3月23日には自忠県を攻撃し占領。続いて3月26日には、欧家廟、武家堰、八都河一帯で中国軍第59軍主力および第69軍と激戦を繰り広げました。その後、師団主力は襄陽と樊城へ向け北進し、同地を占領しました。

終戦へ

1945年（昭和20年）4月、連合軍が沖縄に上陸するなど戦局が大きく変化する中、上海地区の防衛のため湖北省から上海方面への移動を開始しました。しかし、同年5月30日に関東軍戦闘序列に編入され、満洲への転進を命じられました。この時、捜索第39連隊が徒歩編制へと改編され解散、師団の一部兵力が現地に残留しました。これらの残留部隊は、第68師団の残留部隊とともに第132師団へと増強改編されました。満洲に到着した師団主力は、7月30日付で編成が発令された第30軍の戦闘序列に編入され、吉林省四平に駐屯しました。以後、ソ連軍の侵攻に備え防禦陣地の構築などの防衛体制を整備していましたが、ソ連軍と戦闘を交えることなく終戦を迎えました。

師団概要

歴代師団長

村上啓作 中将：1939年（昭和14年）10月2日 - 1941年9月1日
澄田𧶛四郎 中将：1941年（昭和16年）9月3日 - 1944年11月22日
佐々真之助 中将：1944年（昭和19年）11月22日 - 終戦

参謀長

専田盛寿 騎兵大佐：1939年（昭和14年）10月2日 - 1940年10月5日
平瀬亨彦 中佐：1940年（昭和15年）10月5日 - 1941年7月11日
山崎正男 大佐：1941年（昭和16年）7月11日 - 1942年12月1日
浅海喜久雄 大佐：1942年（昭和17年）12月1日 - 1944年5月16日
佐治直影 大佐：1944年（昭和19年）5月16日 - 1944年7月27日 戦死
草野二郎 中佐：1944年（昭和19年）7月29日 - 1945年5月5日
三品隆以 中佐：1945年（昭和20年）5月5日 - 終戦

最終所属部隊

歩兵第231連隊（広島）：福永勇吉大佐
歩兵第232連隊（浜田）：山田正吉大佐
歩兵第233連隊（山口）：富永一大佐
野砲兵第39連隊：佐野芳蔵大佐
工兵第39連隊：今井洸中佐
輜重兵第39連隊：山田曻三大佐
第39師団通信隊：大橋庸太郎大尉
第39師団兵器勤務隊：瀧沢勇雄少佐
第39師団野戦病院：城島実軍医少佐
第39師団病馬廠：井上繁義獣医大尉

脚注

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

* 大日本帝国陸軍師団一覧'>大日本帝国陸軍師団一覧

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