第48師団 (日本軍)

第48師団：台湾を拠点とした機械化師団の軌跡

第48師団は、日中戦争勃発後の1940年、台湾を管轄区域とする常設師団として編成されました。当初は広東省にいた台湾混成旅団に、第6師団からの歩兵第47連隊を加えて編成されています。

編成と移動

1940年11月30日に編成が下令された後、第22軍の廃止に伴い、南支那方面軍戦闘序列に編入されました。その後、第23軍隷下を経て、1941年8月12日に台湾軍隷下となり台湾に戻りました。太平洋戦争開戦直前の1941年11月6日には再び動員され、第5師団と共に揚陸能力を備えた機械化師団として重要な役割を担いました。

フィリピン、蘭印作戦

開戦後、第48師団は第14軍の主力としてフィリピン攻略に参加しました。マニラ占領後にはバターン半島の攻略には向かわず、1942年1月14日に蘭印作戦のため第16軍戦闘序列に編入されました。3月1日にはジャワ島東部に上陸し、3月7日にはスラバヤを攻略しました。蘭印作戦終了後はジャワ島の警備にあたりました。

戦争終盤と終戦

1943年1月には第19軍隷下となりましたが、1945年2月28日には第2方面軍、同年6月13日には第2軍、そして同年8月4日には再度第16軍へと所属が変更されました。終戦を迎えた1945年8月15日、第48師団は旧ポルトガルとオランダの植民地であったティモール島で、昭和天皇の玉音放送を聞きました。

師団概要

歴代師団長

中川広 中将：1940年12月2日 - 1941年9月15日
土橋勇逸 中将：1941年9月15日 - 1944年11月22日
山田国太郎 中将：1944年11月22日 - 終戦

参謀長

川越守二 大佐：1940年12月2日 - 1943年5月4日
宇垣松四郎 大佐：1943年5月4日 - 1945年2月12日
吉岡英太郎 大佐：1945年2月12日 - 終戦

最終所属部隊

台湾歩兵第1連隊（台北）：恒岡小文吾大佐
台湾歩兵第2連隊（台南）：田中透少将
歩兵第47連隊（大分）：徳弘保衛大佐
戦車第4連隊：戒田達一大佐
捜索第48連隊：住田英夫中佐
山砲兵第48連隊：六反田壮吉大佐
工兵第48連隊：西本慶一少佐
輜重兵第48連隊：馬場和人大佐
第48師団通信隊：小池正次少佐
第48師団兵器勤務隊：興水忠治少佐
第48師団衛生隊：山本良三大佐
第48師団第1野戦病院：横尾正庸軍医少佐
第48師団第2野戦病院：原田純隆軍医少佐

年表

1940年11月30日：第48師団編成下令
1940年12月6日：南支那方面軍戦闘序列に編入
1941年8月12日：台湾軍隷下となる
1941年11月6日：再び動員
1942年1月14日：蘭印作戦のため第16軍戦闘序列に編入
1942年3月1日：ジャワ島東部に上陸
1942年3月7日：スラバヤを攻略
1943年1月：第19軍隷下となる
1945年2月28日：第2方面軍戦闘序列に編入
1945年6月13日：第2軍戦闘序列に編入
1945年8月4日：再度第16軍戦闘序列に編入
1945年8月15日：終戦、ティモール島で玉音放送を聴く

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

外部リンク

* 第48師団（海） アジ歴グロッサリー - アジア歴史資料センター

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