第5飛行師団 (日本軍)

第5飛行師団：太平洋戦争下の空を駆けた航空部隊

第5飛行師団は、大日本帝国陸軍の航空師団の一つであり、太平洋戦争（大東亜戦争）中に重要な役割を果たしました。その前身は1940年に創設された第5飛行集団であり、1942年に第5飛行師団へと改編されました。この師団は、フィリピンの戦いやビルマの戦いなど、激戦地での作戦に投入され、数々の航空戦を経験しました。

創設と初期の活動

1940年、第5飛行集団として発足したこの部隊は、太平洋戦争開戦とともにフィリピン戦線に投入されました。開戦当初の作戦において、航空戦力として重要な役割を担いました。その後、戦局の拡大に伴い、1942年にはビルマへと転戦し、同地で第5飛行師団として新たなスタートを切りました。

ビルマでの激戦と撤退

第5飛行師団は、ビルマ戦線において、連合国軍との間で激しい航空戦を繰り広げました。連日の戦闘で戦力を消耗しつつも、各地の作戦を支援しました。しかし、戦局の悪化とともに、1945年5月にはビルマからの撤退を余儀なくされました。撤退後、司令部はプノンペンへと後退し、部隊の一部はサイゴンへと移動しました。終戦時には、これらの地域でその役割を終えることとなります。

師団の概要

第5飛行師団の司令部通称号は「高9683」でした。師団は、様々な機種の航空機を運用しており、その中には、九七式重爆撃機、九七式軽爆撃機、九九式双発軽爆撃機、九七式戦闘機、一式戦闘機、九七式司令部偵察機、そして一〇〇式司令部偵察機などが含まれていました。これらの航空機は、作戦の性質や戦況に応じて使い分けられ、航空戦力の要として機能しました。

歴代師団長

師団の指揮を執った歴代の師団長には、以下のような人物がいます。

第5飛行集団長
小畑英良 中将（1940年12月2日 - 1942年4月15日）
第5飛行師団長
小畑英良 中将（1942年4月15日 - 1943年5月1日）
田副登 中将（1943年5月1日 - 1944年12月26日）
服部武士 中将（1944年12月26日 - 終戦）

歴代参謀長

師団の作戦立案や指揮を補佐した歴代の参謀長は以下の通りです。

第5飛行集団参謀長
佐藤正一 大佐（1940年12月1日 - 1942年3月24日）
三好康之 大佐（1942年3月24日 - 1942年4月15日）
第5飛行師団参謀長
三好康之 大佐（1942年4月15日 - 1943年8月2日）
鈴木京 大佐（1943年8月2日 - 1945年4月28日）
桑塚城 大佐（1945年4月28日 - 終戦）

最終司令部構成

終戦時の司令部は、以下のような構成でした。

参謀長：桑塚城 大佐
参謀：緒方奨 少佐
参謀：串岡周甫 少佐
高級副官：斎藤照之助 中佐
兵器部長：岡本熊吉 大佐
経理部長：遠藤多喜 主計大佐
軍医部長：西郡彦嗣 軍医大佐

最終所属部隊

第5飛行師団の最終所属部隊は、戦闘部隊や飛行場部隊、高射砲部隊など多岐にわたりました。

戦闘部隊
第4飛行団司令部：辻本隼三 中佐
飛行第64戦隊（戦闘）：宮辺英夫 少佐
飛行第81戦隊（司偵）：鈴木正雄 少佐
飛行場部隊
第1航空地区司令部：塚本初雄 大佐
第7航空地区司令部：伊藤稔 中佐
第15飛行場大隊：斉藤武夫 大尉
第17飛行場大隊：豊島幸三郎 少佐
第19飛行場大隊：平井静 少佐
第23飛行場大隊：岩持昌克 大尉
第34飛行場大隊：大和勇三 大尉
第52飛行場大隊：橋本政雄 大尉
第75飛行場大隊：泉永二郎 少佐
第78飛行場大隊：大宮司明 少佐
第81飛行場大隊：時任早夫 少佐
第82飛行場大隊：加藤美知雄 少佐
第85飛行場大隊：古沢義四郎 少佐
第90飛行場大隊：臼井喬 少佐
第92飛行場大隊：熊谷芳己 少佐
第94飛行場大隊：市川浩 大尉
第7野戦飛行場設営隊：白川弘 大尉
第8野戦飛行場設営隊：藤枝操 大尉
高射砲部隊
高射砲第20連隊：野中侃 中佐
野高第36大隊（乙）：柳町平八郎 少佐
通信関連部隊
第2航空情報連隊：来海民夫 中佐
整備・補給関連部隊
独立自動車第35大隊

まとめ

第5飛行師団は、太平洋戦争中にフィリピンやビルマの空で激戦を繰り広げた重要な航空師団でした。その歴史は、大日本帝国陸軍の航空戦力の一端を示すとともに、多くの将兵の犠牲と献身によって支えられたものでした。終戦とともにその歴史を閉じたものの、その活躍は、今もなお語り継がれています。

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