第55回朝日新聞社杯競輪祭

第55回朝日新聞社杯競輪祭

2013年11月28日から12月1日にかけて、小倉競輪場を舞台に繰り広げられた第55回朝日新聞社杯競輪祭は、その年の競輪界を締めくくるKEIRINグランプリ2013への出場権をかけた、重要な一戦でした。この大会は、単なるGIレース以上の意味を持ち、多くの競輪ファンがその動向を見守りました。

KEIRINグランプリ2013への道のり

KEIRINグランプリ2013は、同年12月30日に立川競輪場で開催される、競輪界最高峰のレースです。この大会への出場権は、各レースでの成績や賞金獲得額によって決定されます。朝日新聞社杯競輪祭は、その出場権をかけた最後の戦いとなるため、選手たちの熱意も一層高まりました。

大会開幕前には、すでに5名の選手がグランプリへの優先出場権を獲得していました。残る出場枠は4つ。そのうち2つは、当大会の優勝者、または賞金獲得額上位者から選出されます。大会直前には、深谷知広選手と新田祐大選手が賞金ランキング上位で出場を確定させました。

これにより、実質的に決勝戦までに残ったグランプリの椅子は2つとなります。その2つの椅子をかけて、賞金ランキング5位の長塚智広選手、9位の浅井康太選手、そして決勝戦に進出したメンバーが争うことになりました。長塚選手は決勝進出を決めた時点でグランプリ出場を確定させました。

決勝戦当日を迎えるまで、岩津裕介選手と大塚健一郎選手は優勝するしか出場権を得る道はなく、神山雄一郎選手は2着以内、藤木裕選手は3着以内に入れば出場できる可能性がありました。しかし、浅井選手が10レースの特別優秀戦で2着に入ったため、藤木選手も2着以内に入らないと出場権を獲得できなくなりました。これにより、グランプリへの道はさらに狭き門となりました。

決勝戦

決勝戦は、12月1日に行われました。レースを先導する誘導員は、北津留翼選手が務めました。

最後の直線では、金子貴志選手と深谷知広選手のマッチレースとなりました。金子選手が余裕を持って深谷選手を差し切り、寛仁親王牌に続き、今年2度目のGIタイトルを獲得しました。2着には深谷選手が入り、師弟コンビでのワンツーフィニッシュとなりました。3着には、藤木選手の後ろからインを突いた大塚健一郎選手が入りました。このレースの結果、浅井康太選手が最後の最後でグランプリ出場権を手に入れることになりました。

その他

今大会では、実況アナウンサーのファン投票は行われず、4日間全て橋本悠督アナウンサーが担当しました。橋本アナウンサーは、その後も2019年の第61回大会まで実況を担当しました。決勝戦の模様は、テレビ東京系列の6局ネットで中継されました。

大会の目標売上額は105億円でしたが、4日間の総売上は100億8361万3000円となりました。

この大会は、KEIRINグランプリ2013への出場権をかけた激戦だけでなく、選手たちの熱いドラマ、そして、最後の最後まで目が離せないレース展開が繰り広げられた大会として、競輪ファンの記憶に残るものとなりました。

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