金子貴志

金子貴志：不屈の闘志で頂点を極めた競輪選手

金子貴志は、1975年9月5日、愛知県豊橋市に生まれました。小学生時代は剣道、中学生時代は野球に打ち込みましたが、桜丘高等学校2年の終わりに陸上競技から自転車競技へと転向。その才能を開花させ、旧日本競輪学校に75期生として入学しました。

1995年4月8日、岐阜競輪場でプロデビュー。当初はトップ選手への道は平坦ではありませんでしたが、2002年の競輪祭で決勝に進出（6着）すると、2004年4月には佐世保競輪場でのふるさとダービー決勝で、井上昌己を捲りきってGII初優勝を飾りました。

その後、アテネ五輪出場を逃したことが転機となり、高地トレーニングや肉体改造に励み、2005年には選手生活のピークを迎えます。オールスター競輪決勝で2着、ふるさとダービー、共同通信社杯、全日本選抜競輪でも決勝進出を果たしました。2008年には、ワールドグランプリで勝利を収めました。

特別競輪での決勝進出から遠ざかっていた時期もありましたが、2013年の寬仁親王牌決勝で弟子の深谷知広との師弟コンビでGI初優勝。さらに同年の競輪祭決勝でも深谷とのワンツーフィニッシュ、KEIRINグランプリ2013では深谷の番手からラストスパートを決め、初のグランプリ制覇と年間賞金王に輝き、S級S班にも格付けされました。

2018年には通算500勝、2019年には通算取得賞金額10億円を突破。しかし、その後は腰痛の悪化により成績は低迷し、2023年上半期にはS級2班に降班、2024年下半期にはA級への降級となりました。

競輪選手として活躍する傍ら、自転車競技のトラックレースにも出場し、2002年のアジア競技大会では個人・チームスプリントで金メダルを獲得。全日本[[自転車競技選手権大会]]個人スプリント優勝、世界選手権での8位入賞、トラックワールドカップでの3位入賞など、数々の実績を残しました。しかし、アテネ、北京五輪への出場は叶いませんでした。

中部地区プロ自転車競技大会スプリントでは13年連続14度制覇を達成しましたが、2020年、連覇記録は19で途絶えました。

主な獲得タイトルは、寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント、朝日新聞社杯競輪祭、KEIRINグランプリ2013。年間賞金王も2013年に獲得しています。2013年12月にはGI・GP優勝で1億2600万円以上の賞金を獲得しましたが、これは加藤慎平に次ぐ歴代2位の記録です。

金子の競走スタイルは、ダッシュ力を生かした先行や捲りが得意です。全盛期にはその加速力を武器に活躍しましたが、持久力に課題がありました。しかし、大ギアが流行した際には、それをうまく適応させ持久力を維持したまま走れるようになり、グランプリとGIでは4.33のギアで追い込み優勝しました。

金子貴志は、その不屈の精神と努力で、数々の困難を乗り越えて頂点を極めた競輪選手です。

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