第58親衛諸兵科連合軍 (ロシア陸軍)

第58親衛諸兵科連合軍

第58親衛諸兵科連合軍は、ロシア陸軍に属する部隊で、南部軍管区の指揮下にあります。その歴史は1941年にまで遡り、当初は赤軍の第58軍として設立されました。1942年から独ソ戦に派遣され、戦後は一時解隊されましたが、その存在は後の冷戦時代に再編されました。

第二次世界大戦

1941年11月10日、ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国において、第58軍として創設されました。この軍は、1942年7月から独ソ戦に投入され、数々の戦闘を経て戦後には解隊されました。この時期の彼らの活動は、後に続く冷戦の基礎となる重要な経験をもたらしました。

冷戦期

1995年6月1日、第一次チェチェン紛争が勃発すると、第42軍団を基に第58諸兵科連合軍として再編され、その後も1999年から続く第二次チェチェン紛争において活躍しました。2004年にはベスラン学校占拠事件に対して治安出動を実施し、2008年の南オセチア紛争にも参与しました。これらの経験は、部隊の戦略や戦闘能力を高める要因となりました。さらに2020年にはスヴォーロフ勲章が授与され、その名声を高めました。

ウクライナ侵攻

2022年2月24日以降、ロシアによるウクライナ侵攻が始まると、第58親衛諸兵科連合軍は重要な役割を果たしました。

南部・ヘルソン戦線

侵攻初期、彼らは第49諸兵科連合軍や第22軍団と共に、クリミアからヘルソン州へ攻勢をかけました。3月上旬までにヘニチェスクやヘルソンを占領することに成功します。

南部・ザポリージャ戦線

2022年3月には、ザポリージャ州でも部隊が攻勢を開始し、メリトポリやベルジャーンシク、トクマクを占領することができましたが、この地域では後にウクライナ軍に撃退される事態となりました。

東部・マリウポリ戦線

同年3月中旬には、マリウポリで攻勢を展開し、友軍と合流しながら同地を包囲し、5月中旬には占領を果たしました。特に、マリウポリの占領戦は、その後の東部戦線のダイナミズムに大きな影響を与えました。

セベロドネツク戦線

2022年5月から7月にかけて、セヴェロドネツィク地区での戦闘が行われ、ルハーンシク州全域の占領に成功しましたが、これに続く戦闘は困難を極めました。

維持と撤退

2022年7月、ヘルソン戦線ではウクライナ軍の攻勢により苦戦し、11月にはドニエプル川西岸から撤退する事態に至ります。さらに、2023年には南部ザポリージャ州に再配置されるも、ウクライナ軍の攻勢にさらされ、厳しい戦況が続きました。

編制

現在の編制には、多くの部隊が含まれ、その中には第19自動車化狙撃師団や第136独立親衛自動車化狙撃旅団などが存在します。これらの部隊は、複雑な戦闘状況に対応するために編成されており、ロシア軍の戦略において重要な役割を果たしています。特に、サポート部隊や通信連隊、偵察旅団などが連携し、効率的な作戦を構築しています。

著名な出身者

この部隊には、アナトリー・フルリョフやゲンナジー・トロシェフ、ワレリー・ゲラシモフなど、軍事指導者として名声を馳せた著名な人物が所属していました。これにより、第58親衛諸兵科連合軍は、ロシア陸軍の中でも特に影響力のある部隊の一つとして知られています。

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