第78期本因坊戦

第78期本因坊戦：一力遼、文裕の連覇を阻み新本因坊に

第78期本因坊戦は、毎日新聞社が主催し、大和証券グループ本社がスポンサーを務めた2023年度の囲碁タイトル戦です。本因坊戦は、長い歴史を持つ囲碁の七大棋戦の一つであり、今期はリーグ戦と挑戦手合七番勝負という形式で行われる最後の棋戦となりました。

注目の対局と挑戦者決定

本因坊11連覇中の文裕に対し、一力遼が挑戦権を獲得。文裕が防衛に成功すれば、趙治勲の持つ通算12期という記録に並ぶ大一番でした。また、今期は藤沢里菜五段が女流棋士として史上4人目となる最終予選決勝に進出。惜しくも敗れましたが、女流棋士初の三大リーグ入りまであと一歩でした。なお、藤沢を破りリーグ入りを果たした大竹優六段は、この功績により七段に昇段しました。

挑戦者決定リーグ戦では、前期挑戦手合敗者の一力遼、余正麒、許家元、芝野虎丸の4名に加え、最終予選を勝ち抜いた鶴山淳志、本木克弥、富士田明彦、大竹優の4名が参加。2022年10月3日の余正麒vs富士田明彦戦を皮切りに、2023年4月13日の最終局まで激戦が繰り広げられました。一力は第6節まで全勝をキープし、ライバルの芝野を破り、2期連続で文裕への挑戦を決めました。

挑戦手合七番勝負

七番勝負は、静岡市や神田明神、寂光寺など、歴史と文化を感じさせる場所で開催。特に寂光寺は、本因坊算砂没後400年を記念して選ばれました。また、新型コロナウイルス感染症の5類移行後、初のタイトル戦となり、マスク着用の義務がない状況での対局となりました。今期が七番勝負として最後の開催となるため、例年以上の注目を集めました。

一力が第4局で挑戦手合2番目の最長手数となる350手を打ち半目勝ちをおさめるも、文裕がその後連勝し防衛に王手をかけました。最終第7局までもつれ込んだ戦いは、戸田家を舞台に行われ、一力が見事中押し勝ち。悲願の本因坊位を初めて獲得し、文裕の連覇を11でストップしました。

9月20日にはホテル椿山荘東京で就位式が開催され、小林覚日本棋院理事長から允許状、毎日新聞社社長執行役員の松木健から賞金目録、大和証券グループからホテル椿山荘東京ギフト券が贈呈され、一力の新たな門出を祝いました。

対局結果詳細

第1局: 一力遼 ○ - × 文裕
第2局: 一力遼 × - ○ 文裕
第3局: 一力遼 × - ○ 文裕
第4局: 一力遼 ○ - × 文裕
第5局: 一力遼 × - ○ 文裕
第6局: 一力遼 ○ - × 文裕
第7局: 一力遼 ○ - × 文裕

黒：黒番 / 白：白番 / 封：1日目 封じ手の手番
※第1局と第7局では手番の先後をニギリで決定。

外部リンク

第78期本因坊戦　囲碁の日本棋院

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