第87回凱旋門賞

第87回凱旋門賞：2008年、ロンシャン競馬場の熱戦

2008年10月5日、フランスのロンシャン競馬場。芝2400メートルのコースで、第87回凱旋門賞が開催されました。この年は、ワールドレーシングチャンピオンシップの休止期間中でしたが、凱旋門賞ウィークエンドのスポンサーにカタール・レーシング・アンド・エクエストリアンクラブが就任。その結果、賞金総額は前年の2倍となる400万ユーロに増加し、ドバイワールドカップに次ぐ高額賞金レース、芝のレースでは世界一の賞金総額を誇るレースとなりました。

出走馬：世界の強豪が集結

世界各国から、一流の競走馬が出走を予定していました。フランスからは、無敗の三冠馬ザルカヴァ（レーティング124ポンド、当時世界8位）や、ジョッケクルブ賞、ニエル賞を制したヴィジョンデタなどが出走。イギリスからは、サンクルー大賞優勝馬ユームザインやキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスで好成績を残したペイパルブルなど。アイルランドからは、名門オブライエン厩舎所属のソルジャーオブフォーチュン、デュークオブマーマレード、レッドロックキャニオンが出走予定でした。当初はニューアプローチも検討されていましたが、チャンピオンステークスへの出走を優先したため、回避となりました。ドイツからはドイチェスダービー優勝馬カムジンなど、イタリアからはデルビーイタリアーノ優勝馬チマデトリオンフが出走。

そして日本からは、メイショウサムソンが2006年以来2年ぶりに凱旋門賞に挑戦しました。当初はクリスタルウイング、ロックドゥカンブも登録していましたが、それぞれ菊花賞への出走、引退を理由に回避。アドマイヤジュピタも追加登録を検討しましたが、怪我のため断念しました。

最終的に、17頭が登録されましたが、ソングオブハイアワサが回避し、16頭でレースは行われました。レース前日には雨が降り、道悪が懸念されました。

レース展開と結果

レースは、レッドロックキャニオンが逃げ、スキャパレリ、ザンベジサンなどが先行する縦長の展開となりました。フォルスストレートでは大きな順位の変化はなく、最後の直線でレッドロックキャニオンが失速。スキャパレリが一時先頭に立ちましたが、イッツジーノとソルジャーオブフォーチュンが激しい争いを繰り広げました。しかし、最終的には後方から追い上げたザルカヴァが2頭を抜き去り、優勝を飾りました。

メイショウサムソンはスタートで出遅れ、その後進路妨害を受けて後退。最後はザルカヴァの直後を追走する形となり、10着に終わりました。

ザルカヴァの優勝は、3歳牝馬としては1982年以来、牝馬としては1993年以来の快挙でした。騎手のクリストフ・スミヨンと調教師のアラン・ド・ロワイエ＝デュプレは、2003年以来2度目の凱旋門賞制覇となりました。しかし、ザルカヴァはレース後、引退が発表されました。3着同着のイッツジーノ陣営は、同着判定に不服を申し立てました。

日本における放送と反響

日本では、グリーンチャンネルと関西テレビが凱旋門賞を放送。関西テレビでは、「DREAM競馬スペシャル 第87回凱旋門賞完全中継～メイショウサムソン世界最高峰への挑戦～」と題して放送されました。メイショウサムソンの馬主である松本好雄氏は、約50人の応援団を率いて観戦しました。当日の観客数は約5万人でした。また、英国の騎手2名には騎乗停止処分がありましたが、当日はイギリスで競馬開催が無かったため、凱旋門賞への騎乗は許可されました。

第87回凱旋門賞は、世界中から集まった精鋭たちによる、記憶に残る熱戦となりました。ザルカヴァの圧巻の勝利、そしてメイショウサムソンの健闘、様々なドラマが生まれたレースでした。

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