第92回凱旋門賞

第92回凱旋門賞：日本馬の挑戦とフランスの勝利

2013年10月6日、フランスのロンシャン競馬場。芝2400メートルのコースで、第92回凱旋門賞が開催されました。この世界最高峰のレースに、日本からは2011年のクラシック三冠馬オルフェーヴルと、同年の東京優駿（日本ダービー）覇者キズナが挑みました。しかし、栄冠を手にしたのは、フランスの3歳牝馬トレヴでした。オルフェーヴルは2着、キズナは4着と、惜しくも表彰台に届きませんでした。

日本馬の凱旋門賞への道

オルフェーヴルは、前年にも凱旋門賞に挑戦。最後の直線で先頭に立ちながらも、ゴール前で斜行して失速し2着に敗れるという悔しい結果でした。しかし、その直後から、管理調教師の池江泰寿氏は再挑戦への意欲を示し、2013年も現役続行が決定。春には大阪杯を制覇しましたが、宝塚記念は出走を回避せざるを得ない状況となりました。一時は今後のローテーションが白紙の状態でしたが、最終的に凱旋門賞への出走が発表されました。

キズナは、毎日杯と京都新聞杯を連勝し、東京優駿へ。陣営は東京優駿優勝を凱旋門賞挑戦の条件としており、勝利によってフランス遠征が実現しました。

凱旋門賞への前哨戦として、キズナはニエル賞、オルフェーヴルはフォワ賞に出走。キズナはニエル賞でイギリスダービー馬ルーラーオブザワールドらを抑え優勝、オルフェーヴルはフォワ賞で3馬身差の圧勝劇を演じました。これらの好成績により、オルフェーヴルは凱旋門賞で1番人気、キズナは4番人気に支持されるまでになりました。

凱旋門賞レース前後の状況

当初はパリ大賞優勝馬のフリントシャーが1番人気と見られていましたが、前哨戦の結果を受けて人気は大きく変動しました。一方、欧州の強豪馬には、アクシデントもありました。英二冠馬キャメロットと、G1競走3勝馬ザフューグは枠順決定前に出走を取り消し、キングジョージ6世＆クイーンエリザベスステークス優勝馬ノヴェリストはレース前日の発熱により出走回避となりました。

3歳馬では、ルーラーオブザワールド、フリントシャーに加え、ディアヌ賞とヴェルメイユ賞を制したトレヴ、ジョッケクルブ賞優勝馬アンテロ、イギリスセントレジャー優勝馬リーディングライトなどが登録。特に4戦4勝の無敗馬トレヴは、オルフェーヴルに次ぐ2番人気に支持されていました。しかし、トレヴの騎手ランフランコ・デットーリはレース直前に骨折し、ティエリ・ジャルネへ騎手が変更となりました。

凱旋門賞レース結果

日本馬の活躍が期待された凱旋門賞でしたが、トレヴが優勝。オルフェーヴルは2着、キズナは4着という結果に終わりました。このレースでは、日英仏のダービー馬が揃って出走するという、歴史的な対戦も実現しました。オルフェーヴルとキズナの健闘は称賛に値しますが、世界の頂点には届きませんでした。このレースは、日本の競走馬のレベルの高さを示すと同時に、世界の競走馬のレベルの高さも改めて示した、記憶に残る一戦となりました。

付記

発走時刻は日本時間23時15分。賞金総額は4,800,000ユーロ（1着賞金2,742,720ユーロ）。出走条件は3歳以上の牡牝馬でした。天候や馬場状態等の詳細な情報は、資料が不足しているため記載できません。

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