第93回凱旋門賞

第93回凱旋門賞：トレヴの圧巻連覇と日本馬の挑戦

2014年10月5日、フランスのロンシャン競馬場。芝2400メートルの舞台で、第93回凱旋門賞が繰り広げられました。このレースは、世界最高峰の競走として知られ、世界中から強豪馬が集結します。

この年の凱旋門賞は、前年覇者トレヴの二連覇という、歴史的な結果に終わりました。1978年のアレッジド以来36年ぶり、牝馬では1936年・1937年のコリーダ以来77年ぶりの快挙です。

日本からの挑戦：3頭の精鋭

日本からは、ジャスタウェイ、ハープスター、ゴールドシップの3頭が、この世界最高峰の舞台に挑戦しました。これは、日本調教馬としては史上最多となる出走数です。

ジャスタウェイ: 前年の天皇賞（秋）優勝馬で、ドバイデューティーフリーでも圧勝。ロンジンワールドベストレースホースランキングで世界1位に輝いた実力馬。凱旋門賞には安田記念優勝後に出走しました。
ハープスター: 桜花賞馬として、クラシック戦線で活躍。札幌記念では古馬を相手に優勝しており、勢いを持って凱旋門賞に臨みました。
ゴールドシップ: 中長距離GIを4勝している実績を持つ強豪。宝塚記念では連覇を達成し、高い能力を示していました。札幌記念ではハープスターに敗れましたが、僅差の接戦でした。

3頭とも欧州での前哨戦を走らず、ぶっつけ本番での挑戦となりました。さらに、当初予定されていた直行便がストライキで欠航したため、アムステルダム経由でのフランス入りというハプニングもありました。

レース前の状況：激戦の予感

この年は、春のクラシックシーズンを終えた時点で、複数の3歳馬が凱旋門賞の有力候補として挙げられていました。

シーザムーン(ドイツ)：ドイツダービーを圧勝。しかし、その後故障で凱旋門賞を回避しました。
タグルーダ(イギリス)：オークスとキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを制覇。
アヴニールセルタン(フランス)：フランス1000ギニーとフランスオークスを制し、無敗のまま凱旋門賞へ。
* オーストラリア(オーストラリア)：英愛ダービー優勝。しかし、その後故障で引退しました。

他にも、秋に台頭したエクト(ニエル賞優勝)、キングストンヒル(セントレジャーステークス優勝)といった有力3歳馬、そして前年覇者トレヴ、フォワ賞を制したルーラーオブザワールドなど、多くの強豪馬が参戦しました。

しかし、有力候補の[ザフューグ]、ザグレイギャッツビー(イギリスチャンピオンステークスへ)などが回避したことで、レースの展開はより複雑なものとなりました。

レース展開：トレヴの独走劇

レースは、モンヴィロンがペースメーカーとなり、ルーラーオブザワールド、タグルーダ、アヴニールセルタンなどが先頭集団を形成。一方、日本馬は後方グループに位置していました。

最後のコーナーを回ると、トレヴが内から一気に先頭に躍り出ます。残り300メートル地点では後続を突き放し、独走態勢に。フリントシャー、タグルーダ、キングストンヒルが追いかけますが、トレヴは2馬身差で圧勝し、見事連覇を達成しました。

日本馬は、ハープスターが6着、ジャスタウェイが8着、ゴールドシップが14着という結果でした。

トレヴの連覇は、世界中を驚かせ、改めて凱旋門賞のレベルの高さを示す結果となりました。日本馬は惜しくも勝利を掴むことはできませんでしたが、世界最高峰の舞台で健闘したことは、今後の日本競馬にとって大きな財産となるでしょう。

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