筑紫舞

筑紫舞（つくしまい）とは

筑紫舞は、筑紫傀儡子（つくしくぐつ）と呼ばれる人々によって、古くから伝えられてきた伝統的な舞踊です。跳躍や回転を多用する独特の足さばきが大きな特徴で、その優雅で力強い動きは観る者を魅了します。

歴史

筑紫舞の起源は非常に古く、その名は『続日本紀』の天平3年（731年）の記事にも見ることができます。記録によると、神舞、くぐつ舞など、二百種類以上もの舞が口伝によって伝えられてきたとされています。また、舞の伝承には、木に記号を刻む方法も用いられていたようです。

現在、筑紫舞は、箏曲家の菊邑検校から戦前に伝承を受けた西山村光寿斉を初代宗家とし、二代目宗家である西山村津奈寿をはじめとする多くの弟子たちによって継承されています。その舞の様子は、毎年7月から8月にかけて福岡市中央区の大濠公園能楽堂で開催される「筑紫舞の会」などで鑑賞することができます。

また、興味深いことに、戦前には、現在の宮地嶽神社の奥宮である不動神社が祀られている横穴式石室古墳内で、当時の芸能者たちによって筑紫舞が舞われたことがありました。その場に少女時代の光寿斉が同席していたという縁から、後に光寿斉は宮地嶽神社へ数曲の舞を伝授することになりました。現在でも、宮地嶽神社では年に一度、筑紫舞の祭典が催され、宮司や神職によって舞が奉納されています。

各地での奉納

筑紫舞は、宮地嶽神社以外にも、以下の神社で奉納されています。

恵蘇八幡宮（朝倉市）：天智天皇ゆかりの舞
紅葉八幡宮（福岡市）：八幡系の舞
稲毛神社：東物
雄琴神社 (壬生町)：東物

これらの神社では、いずれも光寿斉や津奈寿から伝承を受けた神職や氏子によって、神事芸能として筑紫舞が奉納されています。筑紫舞は、単なる舞踊としてだけでなく、神事と深く結びついた伝統芸能として、今日までその命脈を保っています。

参考文献

鈴鹿千代乃『神道民俗芸能の源流』（国書刊行会）
古田武彦『よみがえる九州王朝』

外部リンク

筑紫舞伝承後援会FaceBook
宮地嶽神社公式サイト

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