箱館湾海戦

箱館湾海戦

箱館湾海戦は、戊辰戦争における箱館戦争中の1869年5月20日（明治2年4月9日）に新政府軍が蝦夷に上陸を開始してから、6月20日（旧暦5月11日）の箱館総攻撃までの間、函館湾において繰り広げられた海戦です。

戦闘の経過

箱館政権軍の艦隊

箱館政権軍の艦隊は、回天丸を中心として、蟠竜丸、千代田形丸の3隻の軍艦で構成されていました。

新政府軍の艦隊

一方、新政府軍の艦隊は、甲鉄艦を旗艦とし、朝陽丸、春日丸、陽春丸、延年丸、丁卯丸の6隻の軍艦から構成されていました。新政府軍の主な任務は、艦砲射撃によって陸上の要塞を破壊し、陸上部隊の上陸を支援することでした。

海戦の推移

1869年6月10日（旧暦4月30日）に、箱館政権軍の千代田形丸が新政府軍に拿捕され、箱館政権軍の軍艦は回天丸と蟠竜丸の2隻のみとなりました。両艦は多数の命中弾を受けながらも奮戦しましたが、6月16日（旧暦5月7日）には回天丸の機関部が損傷し、弁天台場付近で意図的に座礁させられ、砲台として利用されることになりました。

6月20日（旧暦5月11日）の箱館総攻撃の際、蟠竜丸が新政府軍の朝陽丸の弾薬庫に砲弾を命中させ、朝陽丸は爆発炎上し轟沈しました。これにより、箱館政権軍の士気は大いに高まりましたが、蟠竜丸も損傷を受け、浅瀬に乗り上げて放棄されました。

海戦の終結とその影響

この海戦によって、箱館政権軍は全ての軍艦を失い、箱館戦争における海戦は終結しました。制海権を掌握した新政府軍は、甲鉄艦による五稜郭への艦砲射撃を旧暦5月12日に開始し、同月18日に箱館政権は降伏しました。戊辰戦争の最終局面は、陸戦へと移行することになったのです。

参考文献

元綱数道『幕末の蒸気船物語』（成山堂書店、2004年） ISBN 4-425-30251-6
没後100年　榎本武揚　箱館戦争の光と影

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