築地容子

築地 容子

築地 容子（つきじ ようこ）は、1931年7月12日に東京府東京市（現在の東京都区部）で生まれた日本の歌手、女優です。本名は西原 利枝（にしはら りえ）。キャリアの初期には姫路 リエコ（ひめじ りえこ）の芸名で活動していました。

来歴

学生時代は鷗友学園高等女学校に学びましたが、戦争による疎開のため静岡県榛原郡に移り、榛原高等女学校（現在の静岡県立榛原高等学校）を卒業しました。卒業後に東京へ戻り、レビュー劇場「ムーラン・ルージュ」の歌手となります。

1950年、旧芸名の姫路リエ子として映画『恋しかるらん』で女優デビュー。翌1951年には大映に入社し、1955年まで多数の映画に出演しました。主な出演作には、『鉄の爪』（1951年）、『馬喰一代』（1951年）、キネマ旬報ベストテン8位に選ばれた『雁』（1953年）、『十代の性典』（1953年）、溝口健二監督作品で初のカラー映画出演となった『楊貴妃』（1955年）などがあります。

女優活動と並行して、1954年にはビクターレコードに入社。翌1955年には「金色仮面（ゴールデンマスク）」または「黄金仮面」という芸名の覆面歌手として、映画主題歌『ジャニー・ギター』で歌手デビューを果たします。同年に公開された映画『東京暴力団』への出演を最後に映画界から離れ、以降は歌手としての活動に専念しました。歌手としての芸名は、ファンからの公募によって「築地容子」と改名し、広く知られるようになります。

歌手として成功を収め、1958年12月31日には新宿コマ劇場で開催された第9回NHK紅白歌合戦に初出場。「青い月夜のランデブー」を歌唱しました。この時のラジオ中継の音声は現在も残されています。

テレビ番組では、歌番組の「なつかしの歌声」（テレビ東京）や「帰ってきた歌謡曲」（読売テレビ）に出演したほか、ドラマ「特別機動捜査隊」や「第7の男」などにもゲスト出演しています。特に「特別機動捜査隊 第157話 女の歩道」（1964年）と「第7の男 第10話 夜の罠」（1964年）の映像は現存しています。

晩年まで歌手活動を続け、2010年10月27日には一般社団法人日本歌手協会主催の歌謡祭に出演。東日本大震災被災地支援チャリティーコンサートなどにも参加しました。2013年2月17日には大阪市内のライブハウスで「〜シャンソンをあなたに〜築地容子ライブショー」を開催するなど、精力的な活動を続けていました。

2013年12月15日に82歳で死去。その訃報は2020年4月21日に公表されました。

主なディスコグラフィー

「金色仮面（黄金仮面）」名義の作品も含め、邦楽・洋楽カバーの両方があります。

邦楽曲

主なものに、「ニッポン・トウキョー・ケ・サラ・サラ」（高島忠夫と共演、1955年）、「夜霧のためいき」（1955年）、「モスコウの花売り娘」（1955年）、「拳銃ブルース」（1955年）、「ピンク・マンボ・ブルース」（1955年）、「空の港は霧ふかく」（高島忠夫と共演、1956年）、「銀座のミチル」（1956年）、「霧の夜の終電車」（1956年）、「青い月夜のランデブー」（第9回紅白歌唱曲、1956年）、「慕情の港町」（1956年）、「ヌードのブルース」（1956年）、「東京の女」（1957年）、「アンコさん」（1960年）などがあります。

洋楽カヴァー曲

全て1955年にリリースされたものとして、「ジャニー・ギター」、「アイ・アンダースタンド」、「雨の朝巴里に死す」、「パパはマンボがお好き」（高島忠夫と共演）、「マンボ・ジェラシー」、「セレソ・ローサ」、「荒野の貴婦人」、「アンチェインド・メロディー」、「昔のことはいわないで」、「グリスビーのブルース」、「ドリーム」などがあります。

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